新春狂言 万作萬斎の世界 | Viva l'Arte♪

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Arnaが感動した演劇、ダンス、アートなどなどについてのブログ

観た日時:2020/1/25 15:00〜
観た場所:埼玉会館
主な出演者:野村万作、野村萬斎

まず同じ会場で13時から約1時間の狂言講座が開催されました。本編にも出演された狂言師の深田さんと高野さんが、初めて狂言を観る人にも分かるように、狂言の約束事を丁寧に説明してくれました。ワークショップとして実際に狂言の話し方や動きをやってみる試みはとても楽しかったです。日常では大きな声を出すなんて事はないので、やっているうちになんだか狂言って身体に良い気がしてきました。万作さんも89歳で矍鑠としてますしね!


本編は「棒縛(ぼうしばり)」と「小傘(こがらがさ)」でした。本編の前に萬斎さんが演目の解説をしてくれました。本当に普及活動なんだなぁと感心しました。

「棒縛」
主人が留守の間、家来たちに盗み酒をされないため、家来1(太郎冠者:万作さん)をカカシのよう棒に縛りつけ、家来2(次郎冠者:高野さん)を後ろ手に縛ります。主人が出かけたあと、家来たちはぶつぶつ文句を言いつつ、お酒の匂いだけでも嗅ごうと酒蔵に向かいます。
縛られている棒で錠前を壊して(!)酒蔵に侵入し、縛られたまま二人で協力して器用にお酒を飲みます。楽しくなって縛られたまま歌い踊っているところに主人が帰ってきて…。
一言でいうと明るいクズたちですウインクお酒の匂いを嗅ぎに行こう!いいね!→お酒美味しそう!飲んじゃえー!いいね!→気持ちいい!踊ろう!いいね!…と、まぁ何にも考えてません。彼らは終始楽しそうで、ついつい笑ってしまいました。万作さんの動きは本当に軽やかで驚きました。すごいなぁ!照れ

「小傘」
田舎者(深田さん)が村に建てた草堂に迎える僧侶を探しに行きます。そこに通りかかった僧(萬斎さん)と新発意(出家したばかりの小僧)は、実は博打ですっからかんになって僧侶の格好で小銭稼げないかと考えている主従だったのです。まんまと騙された田舎者は偽坊主たちを草堂に案内し、早速供物を集めて法事を始めることになります。しかし偽の僧はお経を知らないので、艶っぽい小歌をお経っぽく唱えてごまかしつつ、供物を盗むタイミングを狙います。中々盗みは上手くいかず、お経はますます調子が出てきて…。
偽の僧の、偽のお経が本物のお経に聴こえなくもないのは流石ですねー。盗みが上手くいきそうでいかないのもユーモラス。パントマイムの面白さ。それが狂言が世界で受け入れられた理由かも知れませんね。

伝統芸能を初めて観るなら、短めで分かりやすく、笑える狂言がオススメですね!お願い