人に対して怒りをぶつけたことがほとんどない。
怒りを抱くことは勿論ある。愚痴を言える相手がいれば聞いてもらったり、心の内部にしまいこんでくすぶらせておく。

ストレスが食に向かうのは、こういう性格も関係しているのかな。
人に直接怒りを伝えることができない。


最近一日一過食が定着してしまっている。
朝は前日の過食の胃もたれで抜き→日中はバイト先でかなり味見するから、昼食いらない→夜に解放されて過食まっしぐら!のエンドレス。


ちゃんとした御飯を食べたのって一週間前に実家に帰った時だけだ。。
過食した翌日はカロリー減らしたくて、味見以外は飲み物だけって自分に課していた。(それも守れず過食してたわけだけど)
せめて一日一食は普通に御飯食べよう。
今日はバイト夕方までだから夜きちんと家で食べる。

自分との約束。今まで散々破ってきたけれど、信じなくては。小さなことから変えていきたい。
本屋に寄ったら村上春樹の新刊が山積みされていた。

村上春樹は前から好きな作家だし、彼の著作の大半は読んでいる。
のだけど元来が天の邪鬼な性格なので、派手に宣伝して「予約○万部突破!」とか発売前から商魂たくましく煽りまくってるのを見ると、「そんな戦略にのせられてたまるか。」と思っちゃう。

でもちらっと冒頭部分を読んだらすごく心惹かれて、ああこれは読みたいかもしれない‥と迷っている横でまさに飛ぶように売れていく本。

天の邪鬼だけど染まり安くもある自分は5分程逡巡した後購入に至ったのでした。


以下レビューを書いてますが、ネタバレ、批判ありなので注意してください。




すごく楽しめた、途中までは。

シロとクロ(あるいはユズとエリ)が主人公の夢の中に出てきて性的に交わる、さらには友人の灰田までもその性欲の掃け口にされてる描写を読んでなんだか冷めてしまった。

ああまたか、という既視感。
村上春樹の殆どの長編小説で、主人公は夢で女性と交配する。妻や女友達、時には姉と。さらには母と。

それは男性的欲望の発露という以上に何かの暗示だったり、物事の流れを切り替えるスイッチだったり、主人公にとって大事な象徴なのだ。

でも。多崎つくるはそんな夢を見たことに激しく羞恥心を抱く。さらに自分の中に正しくない「歪み」があって、それが淫らな欲望を生み出したのだと結論づける。しかも、最近まで知らなかった6年前のユズの死まで「ある意味では自分が殺した。」と言ってのける。

私は彼のこの潔癖さに我慢できなかった。
煙草も吸わない酒も飲まない。性格は穏和で外見も悪くない。語られる欠点といえば、友人を性的欲望のほしいままに扱う夢を見るのと彼自身が自分をからっぽの容器に例えることくらいだ。
それは多崎つくるにとっては決定的な歪みなのかもしれない。でもそんな程度の歪みなんて人は誰しも持っているんじゃないか。
現に、高校時代に築いた5人組はグループ内での恋愛はタブーでありながらつくるとユズ以外の三人は特定の相手に恋心を抱く。
それは性的欲望にもつながっていくんじゃないのかな。
沙羅に至っては38歳にして浮気相手までいて、掴みどころなさすぎ。

だから巡礼という言葉は、つくるにぴったりだとは思う。
潔癖で正直な殉教者として。
ただ彼は表向き謙虚でありながら、そこには傲慢さも混在する。アカとアオそれぞれに会いに行く場面でことさらそれを感じる。なんだか悟った人の境地で、仕事する友人を見ているところとか。



それにしても、謎を謎のまま残しすぎている。そもそも5人のエピソードが核になっている話ではあるから、それを語り終わって巡礼もおしまい、ってことなんだろうけど灰田とかその父親とピアニストのエピソードをほっぽりだし過ぎてやしないか。
あと沙羅との関係もいまひとつ進展ないままおわっちゃったし。
結局、たくさんの人達の育った環境と性格と経歴を、ずらずら羅列しているだけの印象が否め無い。
このようにして彼は形成されました、という人物カタログ。
物語自体は淡々と流れていく。
主人公が死に瀕した生活を送る描写も、村上春樹のモチーフとして使い古された感じであんまり入り込めなかった。


なんだか批判ばかりになってしまったけど、良くも悪くも村上春樹らしさは存分に堪能できる小説だと思う。

多崎つくるは、友人達に一方的に関係を切られ、死にかける程傷ついて、孤独になりながらも心の底では人との関係を希求する。
友達は自分と一緒にいても実は全然楽しくないんじゃないか、と不安に思うところはとても共感できた。
今日はバイト12時間のロングの日。
一時たりとも気が抜けない。

そのプレッシャーに負けて昨夜は遅くまで過食していた。
当然胃もたれ。苦々しい気持ちで朝を迎えるのをもう何度繰り返したことだろう。

後一ヶ月で辞められる。
これが唯一の支えとなっている。

それまでは頑張って戦おう。
ピーク時の厨房はまさに戦場となる。飛び交う怒号、ひっきりなしに下げられる食器、切って混ぜて焼いて盛り付けて‥。

慌ただしさに時間も飛ぶように早く過ぎていくのが唯一の救いだ。

ロングの日は週3回程だけど、次の日の昼くらいまで疲れて抜け殻になってしまう。

平均したら労働時間はそんなに多くはない。なのにこの年でこんなに疲れてしまうとは。

太っているからなのかな。この職場だから特別精神的に負担かかるのかな。