
「戦場でワルツを」(Waltz With Bashir)2008・イスラエル/独/仏/米

2009年のアカデミー賞で外国語映画賞候補になったドキュメンタリー・アニメーション。
元兵士のアリ・フォルマン監督が自らの体験を基に、戦争の不毛さ、悲惨さを描く。

冒頭から疾走する犬の群れに引き込まれました。

旧友から毎夜見る夢の相談をされる映画監督のアリ。

自身も24年前19才で従軍した記憶が欠落してることに気付く。
当時の友人を訪ね、記憶をたどるアリ。
でも、思い出すのがよかったのか?記憶を失ったままの方がよかったのか?
なくした記憶とは、サブラ・シャティーラの虐殺。
1982年にそんな事件があったなんて、知りませんでした。
難民キャンプでの大虐殺。それを仕組んだイスラエル軍。

キリスト教右派・ファランヘ党バシール党首。
この方の暗殺が大虐殺の引き金になったそう。

船で上陸するやいなや、恐怖のあまり乱射する若い兵たち。

アニメーションになっても、戦争の惨たらしさはオブラート化されません。
死の恐怖、ギリギリの人間性、一人生き残ったことの後ろめたさ等生々しさはそのまま。

ヘブライ語の映画は初めて観ました。
レバノン内戦、知り得ない深い事件がまだまだあるのかもしれません。
This is Not a Love Song
久し振りに聞いたP.I.L.
殺伐とした戦場が妙にマッチしてました。