ガンは嫌な病気です。
画像検査を受けて『異常なし』、と診断を受けても、それでも、痛みを発する場所にガンが転移したのでは? と疑う妻。
ガンに罹ると、一生「がん」なのですよね。
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「術後4年が過ぎようとしていた時、僅か4ヶ月の間にリンパ節転移・骨転移を繰り返した妻ですが、その後、一昨年11月と昨年の3月に放射線治療を終えてから、検査を繰り返しても治療を要するような転移病変は発見できない、ということですよね?」と 、(妻の心に刻み込んで欲しくて) 確認してみた。
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妻の心から、がん転移への不安を取り除きたくて、敢えて医師にそう問い質してみたのです。
昨年末から首、肩、腰の痛みを訴える妻なのですが、がん転移の兆候は観られない。痛みの原因は骨粗鬆症なのではないか、と云う放射線科医の見解。
そう云われても、・・・この痛みは「がんの転移ではないのか?」・・・と、妻は疑心暗鬼になっている。
それがガン患者なのです。・・・「ガンは嫌な病気です。」 と冒頭に申し上げた理由です。
妻の苦痛が耐え難いものではないにしても、私は異常を感じていた。
なんとかしなくては・・・との一念から、6月2日に、会員制クリニックに検査依頼を申し出た。いつもながら素早く手続きをしてくださった。メディカルスキャンニング(性能の良い機器で専門医が検査・診断し、その結果をみんなで利用できる機関)に繋いで戴けた。
一昨日、5日は都内のメディカルスキャンニングで肩のMRI検査と、会員制クリニックで検査結果を聞いてきた。
結果は意外なものでした。
先月21日の検査では、放射線科医から3ヶ月ほど経過観察しましょう。CТを撮っても異常はないし、と診断されたのですが、それから半月後のMRI検査では、評価が一変してしまった。
肩の痛みは原因不明です。
肩関節に骨棘(コッキョクと読みます. 関節軟骨にカルシウム沈着がおこり、棘のようなものがゴリゴリ擦れて痛む)は観られず、腱板『肩甲骨
と上腕骨
をつなぐ4つの筋肉(棘上筋・棘下筋・小円筋・肩甲下筋)の腱の総称』は保たれて観られる、と言う。腱板損傷はない、と云うことのようだ。
肩甲骨に転移の疑い、と説明された。
妻は、肩甲骨のところを押してもちっとも痛くない。左肩を動かすと酷く痛む、と云う。どうやら、骨転移であるとしても、痛みの原因ではなさそうだ。
明日、放射線科医に電話して、診察を申し込む予定です。
今回の左肩関節MRIでは、肩甲骨に転移らしき陰影が映った。15日前のCТ検査では発見できなかったが、ずっと以前からCТには映らなかったが、転移していた可能性もある。肩甲骨に痛みがないのだから、敢えて治療に踏み切る必要もないのでは? 転移が原因で骨折に繋がる危険があるのならば、そのときは医師の考えに従おうか、と私は想った。
会員制クリニックの医師と妻の前で、持論を述べてみた。
「MRI画像と低信号、高信号など数値が示すものは、科学的で客観的な検査ですが、それを読み取るドクターの主観が診断を左右することになりますね。」「ましてや、転移癌と云う病歴は医師にとって、最初にガンを疑うのは無理もないのだろうと思います。」
・・・妻が、「また治療か~」とガッカリするのを少しでも和らげたかったから、不遜にもそのような言い方をしてみたのです。
すかさず医師が「そうなんですよね。患者さんと診察の場を通して長い付き合いがある医師と、いきなり画像と数値だけを見る画像診断の医師とでは表現に自ずと違いがでます。」
会員制クリニックの医師は、患者の気持ちを読み取りながら対応してくれるので、いつも有難いな、と感謝しています。