花粉症・アトピー性皮膚炎、締め括り | 髭の拝さんのブログ

髭の拝さんのブログ

病について分子栄養学的観点で思い付くまま書き記しますが、中身は栄養素の生理活性をお知らせしながら
健康回復の道筋を説きます。
物売りサイトじゃないです。
よろしくお願いします。

 

近年、花粉症有病率が増えています。しかし、いくら増えたとは言え、患っていない人のほうが多い。発症する人と発症しない人の違いは、粘膜の造られ具合に問題があるのだろうと思います。その粘膜の造り変えが正しく行われれば、例え花粉症罹患者であっても治るものです。このことは、私たちが体験している実証例から確認できています。



昨日、最後に説明しました「治療には皮脂に近い成分のオイルを塗り、保湿性クリームなどでスキンケアーすることが大切になります。」について花粉症の場合、粘膜には皮脂に近い成分のオイルを塗ることも、保湿性クリームなどでスキンケアーすることもできませんね。その為に、栄養の生理活性を応用して自然治癒力を高めるしか方法がありません。(あまりの痒みは大きなストレスです。ストレスは痒みを増悪しますので、一時、抗ヒスタミン剤やステロイドホルモンを使うこと必要かもしれません。しかし、漫然と使い続ける薬ではありません。)


花粉症は、目・鼻腔・喉などの粘膜から、花粉が入り込んで症状を引き起こします。正確に表現すると、それらの粘膜に花粉付くと、粘膜の水分で花粉が膨らみパチンと破裂します。その時に中から花粉のタンパクがむき出しになって、粘膜の隙間から中に入り込んでしまいます。

本来は、粘膜の隙間からタンパク質のような高分子の異物は入り込めない仕組みになっているのですが、それが入り込んでしまうから、抗原・抗体反応(アレルギー)が起きてしまいます。



最初に、皮膚は作りかえられている、と云いました。善き皮膚に造り替えるためには、それに適した原料が必要になります。原料となるものは、全て、食べた栄養が原料となり体を造り替えています。ここで云う食べた栄養とは、私たちが毎日食べているタンパク質などのことです。(アレルギーの原因が食因性の場合もあるので要加熱処理)


そしてタンパク質以外では、皮膚の造り替えに重要な働きをしているビタミンAの摂取、これは大事です。ビタミンAについて少し触れておきます。



摂り過ぎると危険、と騒がれている脂溶性ビタミンですが、その過剰症を実体験している人の勧告ではないのだろう、と想像します。

何故ならば、分子栄養学を学ぶ会員たちは数万人おります。ビタミンAを30年間毎日3IU摂り続けている会員は、一万人を超えています。その方たちの中で、ビタミンA過剰症の現れた人は一人もいないのです。

その他にも、過剰症が心配されるビタミンAで「急性前骨髄球性白血病」という大変な病を、ビタミンAで90%に近い患者を完全寛解させた、と云う記事が1994年の読売新聞に出ていました。目的は、ビタミンA大量投与によるガンの分化誘導療法の有効性を確認するためで、全世界5カ国で行われました。日本もその一国で岐阜医大が行いました。

ビタミンAの投与量は、20万~30IU/日。(国民栄養所要量では、1,800IU。上限量は5,000IU/日。) この超大量摂取でも過剰症は現れず、極僅かの方に皮膚の乾燥、胃腸障害という軽度なものしかなかった、と報告しています。特筆すべきことは、がん細胞が超大量のビタミンAに因って、正常な形で分化が誘導されて急性白血病が治った、という事実です。(改めてこの記事はご報告します。)



ビタミンAは、細胞の分化に重要な役割を果たしています。分子整合栄養医学では、30年前から様々な疾患の治療にビタミンAを応用して良い成績を残しています。


アトピー・花粉症対策の栄養の話に戻ります。傷んだ皮膚は活性酸素に弱く、障害を受け易いので抗酸化栄養として、ビタミンA以外にもビタミンEビタミンCを用いています。そして、銅・亜鉛も摂ります。天然の抗ヒスタミン剤といわれるカルシウム、この摂取も重要です。

 アトピー性皮膚炎などを患う患者には、潜在性鉄欠乏例が多く、タンパク質と併せてヘム鉄の補給。炎症に鎮静効果を示すEPA(エイコサペンタエン酸・・魚油のことです)、それと、γ-リノレン酸。皮膚の保湿成分として、コンドロイチン硫酸等々が必要になります。←馴染みのない栄養素名ですが、これらの補給は、皮膚や粘膜が正常に作り替えられる時に、とても大切な働きをする栄養素なのです。



そして、アトピーの悪化要因の一つに、精神的ストレスも挙げられます。痒いと思うと余計に痒くなり我慢ができなくなります。この対処については、一言では言い表せませんが、重要な問題でもありますね。

 

あと、食因性の場合も考えられ、ジャンクフードは食べないように心掛けて下さい。他にも、砂糖の摂り過ぎが悪化要因の場合もあります。それは、お砂糖や果物の果糖によって、痒み物質でもあるヒスタミンロイコトリエンが放出され、知覚神経が刺激を受けて痒みを悪化させるのです。



痒くて掻くために皮膚を傷つけ、黄色ブドウ球菌の繁殖も、症状悪化を招きます。寝ている間に掻き毟り、皮膚症状を酷くすることが多いのです。

ある方が、分子栄養学的治療に入ったときに、手の届かない背中が一番早く治ったと、経過写真付きの改善報告をしていました。痒くても掻けなかったから、皮膚を傷めずに済んで治りが早かったのです。


もう一つ付け加えておきますが、型アレルギーには血液検査で、IgE(アイジーイー)抗体の上昇が見られて、これが痒みの原因だ、と言われています。

花粉症の説明で、医師たちは解り易い説明をしています。お風呂に張られた湯が徐々に増えるとやがてお湯が溢れ出します。人の体で、このIgE抗体が一定量(基準値)を超えると花粉症が発症するのです、と。



本当にそうなのですか? その説明で矛盾はありませんか??


1950年代には日本人の60%が寄生虫に感染していました。その後、環境改善が整って今では寄生虫感染はあまり観られなくなりました。病院の検査では、IgE抗体が上昇するとアレルギーを疑うのですが、IgE抗体が高いのにアトピーや花粉症の症状がない、と首を捻る医師もいるそうです。

少なくなったとは言え、寄生虫感染している方もいます。そうした方々(寄生虫感染者)では型アレルギーがないのにIgE抗体が上昇しています。


寄生虫でも、異種タンパク(アレルゲン)の侵入でも、どちらでもIgE抗体は基準値を超えて上昇します。ですが、IgE抗体の上昇が痒みを引き起こすとか、花粉症を招くわけではありません。


 アトピーは治る病気です。治る力を人は持っていますからね。その自然治癒力を働かせるために、 (栄養の生理活性の) 知識を深めることは大切かと思います。


『食事(栄養)以外のもので病気を治そうとすることなかれ』-12世紀:マイモニデス