3日目にヴェネツィア観光、そしてゴンドラでの遊覧では、グイドの観光案内は単発で長々とはしないものにする。また単発にジョークや面白いエピソードを織り込む。 このヴェネツィアの島での不便な案内からやっと陸に戻った時、グイドもかなりホッとした。これからバスのマイクにより、イタリアのエピソードを盛り込んだ。 

日本のテレビに出てくるジローラモやロザンナのこと。グイド自身の思い出など。 

フィレンツェのレストランでは、あのTボーンステーキ、ビステッカ・アッラ・フィオレンティーナを食べに行く。 

そのお店には、小柄でスラッとして、明るい感じの支給さんがいた。お客さんの中には、ミラノで担当してくれた女性ガイドCとグイドがかなり親しそうにいると観察していた人がいた。ヴェネツィアの夕食と時に、誰かが「Cさんに気があるでしょう」と言われたので、わざとそんなに若くなく、ぜんぜんスラリとしていないヴェローナのガイドMさんが好みだとはぐらかしておいたのだが、フィレンツェの支給さんがルーマニアの人だと知ったグイドはルーマニア語で話したくてウズウズしていたのだが、それをすかさず見逃さなかった数人の客は「グイドさんは『日本版チョイ悪』だ」と定義する。 

それでお客さんが喜んでくれるなら、それをネタにお客さんを喜ばす。 

笑いを取るためならなんでもするのが関西人の性なのである。