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 風邪から立ち直ったばかりなのに、片道300キロの旅に出た。仕事のためである。今回の依頼人マリオは、テープレコーダーのメッセージによる依頼で、その説明が終われば、テープレコーダーが爆発して破壊されてしまう・・・というスパイ映画のようではなかったが、「WEBサイトで見たんですが、私はトレヴィーゾと言う町で寿司バーをオープンしたいと思っています」・・・。

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おおっ!WEBサイトtozai.itは、なんと効果があることか!インターネットがある時代に生きていてよかった。インターネットがグイドを生かしてくれる。インターネット有難う。  ミラノをなるべく早く出発したかったが、一番早い便が11時だった。ほぼ3時頃とレヴィーゾに到着。駅から携帯電話で知らせる。のちにマリオ到着。  

マリオの車で、町の南側にある駅を出発し、町の中心を縫いながら、豪華な別荘や工業地帯もある北側にオープン予定の建物がある。ここより北には、ConeglianoやValdobbiadeneと言うワインの産地がある。 この日マリオとは、とてもビジネスライクな会話で、グイドは早速現場の写真を撮る。

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予定は続き、一旦ホテルに荷物を置いたら、早速トレヴィーゾにある別のお店でもブラジル人が寿司をやっているお店に行く。かつて向上の倉庫だったものを改造し、内部は煉瓦がむき出しになっていて、モダンな家具と微妙な調和を保っている。 そのお店を出ると、今度はパドヴァまで行く。パドヴァのお店は、とても流行っていて遠くとレヴィーゾからも食べに行くそうだ。彼らが言うとおり夕食に出かけるには遠いし、マリオは道に迷ってしまった。 

このお店は、もともとピッツェリアだったが、3階を改造してモダンな和食レストランになった。どうやら日本人が二人働いているようだ。 実は、このお店から日本人料理人を探してほしいと依頼されていたことがある。ずいぶんむかしのことだった。夕食をしながらもグイドはトレヴィーゾについて質問しながらも調べてあることを話すが、彼らが逆に知らないこともあった。 たとえば、トレヴィーゾは、あのティラミスというお菓子の発祥地でもある。 

日本でトレヴィスと呼んでいる赤チコリの野菜がある。イタリア語ではラディッキオというが、これがトレヴィーゾの名物野菜だ。それにあまり知られていないが、白ポレンタは、ここトレヴィーゾだけにある。 

かつてアメリカのすし屋で「カリフォルニア巻き」なるものが生まれたように、日本料理も処変われば品変わる。トレヴィーゾでオープンされる寿司バーをどのように変えて行くか、グイドの頭の中には常にその構想が広がっていった。