その②もご覧頂きありがとうございます。
それでは続きを。
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【第4話】
~11番台争奪戦~
またしてもP店でのお話です。
第3話とは少し前の時期で、私が勝ちにこだわり羽根モノばかり打っていた時期です。
当時のP店での羽根モノコーナーにはナワバリ的なモノがありました。
P店の羽根モノ打ちは、ほぼ決まった機種でしか打たなかったのです。
と言っても、ナワバリを犯したからと言って、モメたりする事はありません。
それどころか、自分のナワバリに優良台が無ければ他のナワバリの人が良く声を掛けてきてくれました。
「“アキ”台があるから兄ちゃん打ち。」と。
もちろん、逆も然り。
声を掛けた人は自分の打つ台はすでに確保しています。
この頃の羽根モノは波も穏やかでしたので、皆さんギラギラする事はなかったのでしょう。
P店の常連の羽根モノ打ちの方々には不思議な一体感がありました。
しかし、私を含めた常連の羽根モノ打ちには暗黙の了解もありました。
それは、「11番台は出来るダケ打たない。」でした。
機種は初代の『マジックカーペット』。
出来るダケですので、当然打つ事もあります。
それはクギが「通常の“アキ”」だった場合のみ。
実はこちらの11番台。
どんなにクギを閉めても、“ある打ち方”をすると出てしまうのです。
毎日必ず打ち止めしてしまうのですね。
もちろん、“ある打ち方”は私を含めた常連の一部しか知りません。
常連が“ある打ち方”をし、毎日打ち止めすれば店も当然怪しむでしょう。
どんなにクギを閉めても出てしまうのですから。
そうなってしまうと、真っ先に外されてしまう可能性が高い。
となれば、『マジックカーペット』をナワバリとしている方は打てなくなってしまいます。
それを避ける為に、店が11番台を出す気がある時(=クギが通常の“アキ”の時)のみにしか打たなかったのです。
ちなみに、私のナワバリは初代の『ビッグシューター』でした。
その“ある打ち方”とは実に単純で右打ちすると言うモノ。
右打ちと言ってもゴム打ち(目いっぱい打つ事)ではありません。
右側の谷クギを狙う打ち方です。
P店のクギ調整はほぼナキのみ(ヘソ&落とし)。
ヨリに関してはほぼ未調整だったのです。
ですので、優良台の見極めは主にヘソ。
補助的に落としと、実に読み易い。
その読み易さ故に、P店が優良店である証だと当時は思っていました。
皆様はここで、「11番台は右側のナキの調整はしていないのでは?」と思われるでしょう。
ですが、そうでは無いのです。
確かに、ヨリに関してはほぼ放ったらかしですが、ナキはちゃんと右側も調整しています。
クギが渋くても11番台が打ち止めになってしまう理由は、役物に強烈なクセがあったからです。
その、強烈なクセとは右側の羽根で拾った玉は100%大当たりしてしまうのです。
その影響からか、左側で拾った玉は若干大当たりしにくくなっています。
ナキがどんなに悪くても、1度もヘソや落としに入賞しないなんて事はありえません。
チャンスは少ないですが、羽根が右から玉を拾えば確実に大当たり。
欠点は初期投資も少々掛かり、打ち止めまでの時間効率も悪い事。
ですが、勝ち額は少ないものの、確実に勝つ事ができたのです。
そんなある日の事。
休日のこの日、私は朝イチからP店の開店待ちへ。
てか、P店へは休日しか訪れませんでした。
羽根モノを打つには時間が必要ですので、朝イチから訪れる為にですね。
【第3話】でも触れましたが、P店は打つ機種によって入場口が分かれていて、開店5分前には入場を許可してくれます。
私は羽根モノの入場口へ。
他コーナーであれば、我先にとお客は入場するのですが、羽根モノコーナーだけはそうではありませんでした。
やはり、不思議な一体感の恩恵なのでしょう。
そんな雰囲気が私は好きでした。
ところが、この日は羽根モノコーナーに並んでいた常連の方達が我先にと入場。
私はその理由が分からず流されるままに。
羽根モノのシマに着くと、なんと11番台の争奪戦が勃発中。
常連の方達による、です。
その後、11番台を確保出来なかった他の常連の方達は、クギを見ることすらなくシマを出ていきました。
私の頭は「???」の連続。
あれだけ11番台を打たない様にしていた常連の方達がナゼ奪い合うのかも分かりませんでしたし、何より他の台のクギすら見なかった事に、です。
私は取り敢えず『ビッグシューター』のクギを見て回りました。
ですが“アキ”は一つもナシ。
仕方無く他の羽根モノのクギを見て回るのですが、こちらも“アキ”台は一つもナシ。
見落としかもと思い、再度見て回るもやはり“アキ”台はナシ。
そんな私の姿を見かねたのか、羽根モノの常連の方が私に声を掛けてくれました。
「○月○日新装やから、“アキ”台なんて無いで。」と。
P店は間違いなく優良店です。
近隣では頭一つか二つ抜き出るくらいに。
そんな優良店でも、新装開店前は別なのでしょう。
ここ数日、羽根モノのクギは全台閉まったままだったそうです。
クギが閉まったままと言うのは、その機種が入れ替えの対象である事を意味します。
即ち、羽根モノは全台入れ替えが決まっていたのですね。
クギが閉まっていても出る台&『マジックカーペット』が入れ替わる=以降P店では打てなくなると言う理由で11番台の争奪戦が始まったのだと思います。
その後の入れ替えで、羽根モノの台数は半分に。
この頃より、パチンコはより高射幸の機種へと変わりつつある時期でした。
今となっては、繁栄から衰退へ至る道へのスタートラインだったのでは?と個人的には思います。
以上、11番台の争奪戦から、業界の繁栄から衰退へのスタートラインを見た様な気がしたお話でした。
【第5話】
~目押しの達人~
最後はようやくスロットのお話です。
某打楽器系ゲームの様なタイトルからお分かり頂けるかと思いますが、私が遭遇した目押しがめちゃめちゃ上手い方のお話です。
時は4号機時代。
まだ、イベントが大々的に告知出来ていた時です。
この日は私が良く通っていたH店でイベントがありました。
内容は「『アステカ』全台設定6一回交換」。
4号機『アステカ』は激甘機種として人気を博した機種ですね。
この告知を見た私の意見は……
「ビミョー」でした。
4号機アステカはCT搭載のBタイプです。
等価の店であれば設定2でもフル攻略すれば十分食えた程の機種です。
では、ナゼ「ビミョー」なのか。
その理由はH店が8.5枚交換だったからです。
その為、イベントにも関わらずお客もまばら。
しかし、他を打つよりはマシと言うコトで打ち始めます。
このイベントには少し特殊なルールがありました。
それは、「頭上のパトランプが点灯中は持ちメダル遊技可能」と言うモノ。
パトランプが点灯する契機はBIG当選時。
消灯契機はBIG終了時。
なのですが、CTに突入した場合はCTが終了するまではパトランプは点灯しています。
となると、如何にCTに突入させる事が出来るかがカギ。
ですが、こればかりは運任せですのでどうする事も出来ません。
しかし、打ち手にも出来る事があります。
それはフル攻略。
『アステカ』のフル攻略とは以下の通りです。
1.リプレイハズシ(以降ハズシ)
2.最速CT MAX
3.CT MAX維持
4.成立Gでのボーナス揃え
1.のリプレイハズシは基本ですね。
2.はボーナスを引く可能性がありますので、いかに早くCT MAXに到達させるかです。
3.はMAXに到達すればそれをCT終了まで維持し続ける事です。
4.はお世辞にも小役狙いの効果がありませんでしたので常に狙えば可能でした。
リーチ目が見られない&メンドくさいと言う弱点がありましたが…
ここで、この日のイベントで重要になってくるのが4.の項目。
CT中ボーナスに当選するとCTが終わりBGMもピタリと止まります。
5号機でのRT機と同じ、気持ちいぃ~瞬間ですね。
気持ちいぃ~のですが、同時に頭上のパトランプも止まってしまいます。
そうなると、交換しなければなりません。
ボーナスが確定しているのに、ですね。
8.5枚交換ですので、換金ギャップはデカい。
よって、CT中のボーナスは成立Gで揃える必要があります。
腕の見せ所ですね。
話を戻しまして。
少しすると、隣に男性が着席。
私と同年代と思われます。
するとその男性。
開始早々ボーナスが確定しCTにも当選。
CTがMAXに達し、維持に掛るのですが共に早い。
さらに、ボーナス中の小役狙い(※)&ハズシも早かったのです。
(※:ハズシを行う為には変則打ちが必要でした。変則打ちを行うと小役成立時に取りこぼすポイントがあり、それを避けなければなりませんでした)
しかし、上記の技術介入は、当時の本気組の方であればさほど難しいモノではありません。
事実、『アステカ』に関しては私も隣の男性並みには難なく行っていました。
男性はCTを完走すると、その台をキープする事なく交換。
先に述べた様に、1回交換の換金率が8.5枚ではビミョーなイベントですので空き台も多数。
設定は全台6ですので、どの台を選んでも同じです。
ですので、他の台に移ったのだろうと思っていました。
その後、私にもボーナスが訪れ頭上のパトランプが消灯する都度交換。
それを何度か繰り返している内に気付いた事がありました。
さっきの男性が『アステカ』のシマにいないのです。
確かに、ビミョーなイベントですので帰ったのだろうと思っていたのですが、何気に『獣王』のシマに目をやると、その男性が座っていたのです。
私の頭は「???」です。
『獣王』はイベント対象外ですので1回交換ではありません。
ではありませんが、正直設定は全く望めないでしょう。
『獣王』を打つのであれば『アステカ』を打ち続けた方が正解だと思います。
しかし、予想に反しその男性が『サバチャン』に当選した模様。
「おぉ!やるねぇ~」とチラ見すると、ドットに「+1」の表示。
「!!!!!」
これには驚きました。
『獣王』は『サバチャン』の2~8G目までを36秒以内に取りこぼす事なく消化する事で1G上乗せされるのです。
ご存じの通り、初代『獣王』のATは押し順をナビしてくれるのではなく、狙うべき図柄をナビしてくれます。
当然目押しは全リール必要となりますので、制限時間内に正確に目押しを行う難易度は激高。
私も何度もチャレンジしたのですが、成功したのは唯の一度きり。
その唯一の成功も、2~8G間にリプのヒキが良かっただけです。
つまり、偶然ですね。
必然と取りこぼしも多くなりますので、以降+1Gは狙いませんでした。
その男性も、私と同様リプのヒキ強だったのかも知れません。
それを確かめ様と少し離れた所で暫く観察。
『サバチャン』の連チャンに期待したのですが、どうやら単発で終了。
その後も『サバチャン』に入る事は無く店を出る男性。
真相は闇の中となりました。
それから数日後。
私はまたもやH店で、この日は『大花火』を打っていました。
当時の私は、先に述べました様に、どちらかと言えば本気組。
『大花火』でのヴィタハズシ成功率は95%オーバーとかなり自信がありました。
と、言ってもハズシを行うのに2~3周は見ていましたケドね(笑)。
暫くすると、隣に男性が着席。
男性はお座り一発でBIGをGET
そのBIGを消化中ハズシが必要な場面に。
ズババッ!と押しハズシ成功。
その速さから、私は3連ドンでハズしていると思っていました。
程無くして、またもやハズシが必要な場面に。
またしても、ズババッ!と押しハズシ成功。
何気にチラ見すると、左リール中段に止まっている黒い塊。
「!!!!!」
そうなんです。
こちらの男性、ヴィタハズシを行っていたのです。
その速さはとても目押ししているとは思えませんでした。
テキトーに押しているカンジ。
ここまで早くて正確な目押しは、テレビでしか見た事がありません。
某有名攻略誌のライターの方が、解説をしながらいとも簡単に高速ヴィタハズシを行っていたのです。
隣の男性が行っていたのは、解説こそしてはいないものの、私がテレビで見た“それ”と全く同じ。
「もしかして、ドコかのライターさん?」と思い、ボーナス終了後に恐る恐る声を掛けました。
私「目押し、めちゃめちゃ上手いですね。」
男性「えっ!?」
私「目押し上手ですね。」
男性「あ、ありがとうございます。」
歳の頃は私と同年代でしょうか。
私「僕もヴィタハズシは出来ますケド、そこまで早くは出来ないです。」
男性「ヴィタでハズせるんやったら、それでえ~やないですか。」
私「そうですケド…」
男性「速さよりも正確さですよ。」
私「コツとかあります?」
男性「慣れ…ですかね(笑)。」
ここで、私は詳しく話を聞きたくなりました。
私「メシでも食べに行きません?店内のメシ屋で良ければオゴリますので。」
H店の店内には食事スペースがありました。
この日私は調子が良く、ある程度のメダルがあったからです。
男性「そんな…い~ですよ。」
私「じゃぁ、外に食べに行きますか?」
男性「イヤイヤ、そ~ゆ~事じゃなくて。」
私「じゃぁ、飲み物でも。ちょっとコツを教えて下さい。」
男性は「それならば…」と共に食事スペースへ。
私は早速聞きたい事を聞きました。
私「もしかして、ライターさんちゃいます?」
男性「イヤイヤ、全然ちゃいます。」
私「そうなんですか。 でもホンマ、目押しめちゃめちゃ上手いですね。」
男性「大阪は低換金やし、設定状況も良くないでしょ?だから技術で出したろと思って。」
私「おぉ!僕も同意見です。」
男性「ですよね~。」
私「この店は、よ~来はるんですか?」
男性「イヤ、何回かしか来た事ないです。」
私「そうですか、この店ビミョーですよ。」
男性「そうなんですか?」
私「通常営業やったらあっても4(設定)までってカンジです。 でもその4はワリと使ってるっぽいです。」
男性「あって4?あちゃ~。」
私「でも、新装の時は6っぽいのもいくつかありそうです。」
男性「イベントとかは?」
私「それもビミョーです。換金率もめっちゃ悪いですし(笑)。」
男性「あ~、そう言えばこの前も『アステカ』設定6の一回交換ってやってたなぁ。 換金率悪くてビックリしたわ。」
私「!!??」
私「この前の『アステカ』の時、来てはったんですか?」
男性「来てましたよ。『アステカ』はすぐヤメましたけど(笑)」
この時、私は「もしかして…」と思い、その疑問をぶつけてみました。
私「もしかして、その後『獣王』打ってませんでした?」
男性「えっ!なんで知ってるんですか?」
私「やっぱ、そうですか…」
私はその時の事を話ました。
やはり、男性は+1Gの彼でした。
そして、闇の中に消えたと思われた真相を聞いてみたのです。
男性「あぁ、『獣王』の目押しですか。 +1Gはほぼイケますよ。」
私「ホンマですか!!??」
男性「ホンマです。なんなら今から『獣王』打ちましょうか?」
私「まぁぢっスか?お願いします。 でも設定が……」
男性「僕『獣王』好きやからい~ですよ(笑)。」
と、男性は『大花火』のメダルを持って『獣王』を打つ事に(台移動OK)。
私は調子が良かったので引き続き『大花火』を。
男性が『サバチャン』を引けば呼んでもらう事になりました。
私の『大花火』は引き続き順調。
と言っても、やはりあっても4までっぽい。
それから結構な時間が経過したのですが、男性から声が掛る事はありませんでした。
様子を見に行くと、ボーナスは引けるものの『サバチャン』が引けないとの事。
「また今度でもい~ですよ。」と私は声を掛けたのですが、男性は意地になっていたのか続けています。
そして暫く回した後、遂にその時が訪れたのです。
高確中のハズレから『サバチャン』GET……
……では無く、男性の軍資金が尽きてしまったのです。
これはさすがに申し訳無かったです。
私が話し掛けなかったら男性はそのまま『大花火』を打っていたでしょうから。
その事を詫びると「後で『獣王』も打つつもりでしたから大丈夫です(笑)。」と言ってくれました。
好きだったんでしょうねぇ。
『獣王』が。
その後、彼をH店で見掛ける事はありませんでした。
『獣王』での+1Gはこの目で確認してはいませんが、あの『大花火』での超高速ヴィタハズシがラクラク出来るのですから、『獣王』での+1GもBefore Breakfastだったのでしょう。
んん!?
後で打つつもりだった?
で、イベント時に好きと言う理由ダケで設定の望めない『獣王』に移動した?
て、コトは目押しはピカイチでも立ち回りは……
……な・の・か・な・?
まぁ、立ち回りは私もエラそうなコトは言えませんが……
以上、目押しは超一流でも立ち回りは……な方に出会ったお話でした。
今回は以上とさせて頂きます。
最後までお付き合い頂き、ありがとうございました。