拝啓(はいけい)、【__様(さま)】
実(みの)りの秋(あき)となり、
【木々(きぎ)の梢(こずえ)も色(いろ)づひて
参(まい)りました。】
ー中略ー
この胸(むね)、焦(こ)がれ焦(じ)れるやうに。
温(ぬく)みが 今(いま)も 未(ま)だあります。
__【あなた】を 恋(こい)ひ慕(した)ひます。
煌々(こうこう)と照(て)らす木漏(こも)れ日(び)を
切(せつ)なく感(かん)じて
心(こころ)に染(し)み入(い)る
君(きみ)よ、何処(いづこ)へ…
何時(いつ)までも待(ま)ってゐます
打(う)ち拉(ひし)がれた
蒼(そら) 朱(あか)く染(そ)まる
彼行(かれゆ)けば 枯(か)れ生(ゆ)きて
風(かぜ)と成(な)りけり
終焉(しゅうえん)の閃光(ひかり)
両手(もろて)翳(かざ)して
拝啓(はいけい)、【__さん】
冷雨(れいう)が降(ふ)り続(つづ)く
【鉛色(なまりいろ)の空(そら)は今日(きょう)も
泣(な)ひております。】
ー中略ー
笑顔(えがお)で きっと 帰(かえ)ります。
含羞(はにか)む写真(しゃしん)をお守(おま)りに。
__【あなた】よ どうか それまで…
ゆらゆらと揺(ゆ)れる篝火(かがり)は刹那(せつな)に
嘶(いなな)き烈(はげ)しく耀(かがや)く
君(きみ)よ、何処(いづこ)へ…
何時(いつ)までも呼(よ)んでゐます
打(う)ち拉(ひし)がれた蒼(そら)
朱(あか)く染(そ)まる
我征(われゆ)けば 破(わ)れ逝(ゆ)きて
風(かぜ)と成(な)りけり
終焉(しゅうえん)の閃光(ひかり)に
両手(もろて)翳(かざ)した
「我(わ)が愛(あい)よ、
幸(さち)あらん事(こと)を…」
君(きみ)よ、何処(いづこ)へ…
何時(いつ)までも咲(さ)ひてゐます
掴(つか)めると信(しん)じて
双手(もろて)翳(かざ)した
彼行(かれゆ)きて 我征(われゆ)けば
潰(つい)へても尚(なお)…
此(こ)のまゝ枯(か)れやうと華(はな)は朽(く)ちず
一輪(いちりん)の天華(てんげ)と生(な)つて
重(かさ)ね重(かさ)ね色付(いろづ)く
浮世(うきよ)の中(なか)漆黒(しっこく)
の拒絶(きょぜつ)に酔(よ)う僕(ぼく)は
君(きみ)の影(かげ)を追(お)い掛(か)け…
己(おの)が影(かげ)に飲(の)まれて
重(かさ)ね重(かさ)ね色付(いろづ)く
浮世(うきよ)の中(なか)漆黒(しっこく)の
拒絶(きょぜつ)に酔(よ)う僕(ぼく)は
明日(あす)を遠(とお)ざける様(よう)に
逆巻(さかま)く迷子(まいご)の迷子(まいご)
ゆらゆら揺(ゆ)らめく薄紅(うすべに)が
二人(ふたり)を分(わ)かつ風(かぜ)となり
藻掻(もが)き足掻(あが)き手(て)にしたモノは
思(おも)い出(で)ひとひら…
声(こえ)がする…声(こえ)がする…
君(きみ)を見失(みうし)なった
僕(ぼく)の胸(むね)に刺(さ)さる
ソレは優(やさ)しい「涙唄(なみだうた)」
「行(い)かないで」
「ずっと傍(そば)に居(い)て」
「独(ひと)りに なるのは嫌(いや)だ」
虚(むな)しく卯月(うづき)の空(そら)に舞(ま)う
言(こと)の葉(は)…蒼天(そうてん)に散(ち)る
ゆらゆら揺(ゆ)らめく薄紅(うすべに)が
二人(ふたり)を分(わ)かつ風(かぜ)となり
藻掻(もが)き足掻(あが)き手(て)にしたモノは
思(おも)い出(で)ひとひら…
ゆらゆら揺(ゆ)らめく白銀(はくぎん)が
僕(ぼく)を縛(しば)る枷(かせ)となり
藻掻(もが)き足掻(あが)き手(て)にしたモノは
薄紅(うすべに)の刻(とき)
声(こえ)がする…声(こえ)がする…
君(きみ)を見失(みうしな)った
僕(ぼく)の胸(むね)に刺(さ)さる
ソレは優(やさ)しい「涙唄(なみだうた)」
今(いま)、風(かぜ)に舞(ま)い落(お)ちる
狂(きょう)の縁(えん)
じわり…染(し)み入(い)るのは朱(あか)の艶(えん)
行(い)き場(ば)を無(な)くし…のらりくらり…
彷徨(さまよ)い…やがて喰(く)らい尽(つ)くす
「心理(しんり)の真裏(しんり)」
今(いま)、風(かぜ)に絡(から)み付(つ)く
狂(きょう)の縁(えん)
ふらり…踏(ふ)み出(だ)したなら絶(ぜつ)の厭(えん)
終(お)わらぬ終(お)わり…のらりくらり…
彷徨(さまよ)い…やがて迷(まよ)い込(こ)むは
「輪廻(りんね)の鈴音(りんね)」
選(えら)ぶ事(こと)も許(ゆる)されぬ
拒(こば)む事(こと)も許(ゆる)されぬ
その果(は)てに待(ま)つは 逃(に)げられぬ
唯一(ゆういつ)無二(むに)の無(む)に堕(お)ちる
生(せい)に獅噛(しが)み付(つ)いたとて
踏(ふ)み躙(ち)られる枯(か)れた命(めい)
逝(い)けぬならせめて空高(そらたか)く…
舞(ま)い上(あ)げて欲(ほ)しい…
寒空(さむぞら)に願(ねが)えど月(つき)は
ソレを見(み)て笑(わら)う
今(いま)、風(かぜ)に舞(ま)い落(お)ちる
狂(きょう)の縁(えん)
じわり…染(し)み入(い)るのは朱(あか)の艶(えん)
行(い)き場(ば)を無(な)くし…のらりくらり…
彷徨(さまよ)い…やがて喰(く)らい尽(つ)くす
「心理(しんり)の真裏(しんり)」
生(せい)に獅噛(しが)み付(つ)いたとて
踏(ふ)み躙(にじ)られる枯(か)れた命(めい)
逝(い)けぬならせめて空高(そらたか)く
…舞(ま)い上(あ)げて欲(ほ)しい…
燃(も)え焦(こ)がし身(み)は崩(くず)れ
塵々(ちりちり)弄(もてあそ)びし命(めい)
もう二度(にど)と戻(もど)れない程(ほど)に…
舞(ま)い上(あ)げて欲(ほ)しい…
寒空(さむぞら)に願(ねが)えど月(つき)は
ソレを見(み)て笑(わら)う
何時(いつ)になれば…何処(どこ)に
行(い)けば…眠(ねむ)れるのだろう…
止(と)まれ…
止(と)まれ…
止(と)まれ…
