♪立体感のある演奏法 | ◆VISTAの発見◆

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♪いつかはきっと セレンディピティ

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バイオリンでもピアノでも、平板な演奏と陰影くっきりの立体感のある演奏との差はどこから生じてくるものかを考えてみましょう。

細部にわたるメリハリの技法、例えば音の強弱、長短、音色などが人の聴覚をビミョーに刺激して、聴き手に感情の共振現象を引き起こします。

掲載図はベートーヴェンのピアノ・ソナタ第14番 嬰ハ短調「月光」作品27-2の第1楽章の冒頭部です。

この3連音符がどのように立体的に演奏されているかを調べてみました。

●3連音符の3つ目の音が他の2つに比べ意識的に小さくなっています。指使いのせいではないでしょう。(図の▽の部分)
しかしこの三連音符の3つ目の音も、4度目には次の展開に呼応してやや大きくなっているのが分かります。

このグラフでは音の強弱を振幅でしか捉えられませんが、立体感を生じてさせている確かな証拠でもあります。

●すべての音は他の音と同じでない。
強、弱、中強、弱の基本を踏まえて、最初の弱と二度目の弱にも差がつけられたら、演奏は目に見えて立体的になるはずです。
この考えが全曲の各次元で階層的に採り入れられたら、
演奏は輝やかしい音楽となり、心に響くこと請け合いです。