
私がまだ3~4歳の頃。
ふるさとの家の前に、それは大きな堀があった。
「菱の実」が採れるから子どもたちはここで遊ぶのが大好き。
近所の子を棒を持って追いかけまわすほど私は元気だったらしい。
親がそばにいない時、その深い堀に私は落ちて、溺れてしまった。
ドボン!ブクブクブク!!!
非常事態です。
非常事態です。
近くにいたのでしょう、私を助けてくれたのは隣の屋敷の20歳くらいの男の子だった・・と、
突然この話を思出だすように母は語りはじめた。
突然この話を思出だすように母は語りはじめた。
男の子のことを、母は自分の頭を指しながらいう。
「あの子はここが、ちょっとポンやった。けど、何かのはずみにシャキッ!とするのよ、
びっくりするような頭のいい子やった・・」
びっくりするような頭のいい子やった・・」
関西弁にすっかり馴染んでしまった母だけど、ときおりイントネーションは田舎風です。
「お姉さんは学校の先生で、お兄さんもそれは頭のいい人でナ・・」
「でもあのポンの子が、アンタを助けてくれたんやデ・・」
と語りながら、母の目には涙。
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私も胸が熱くなって、どうしてもその人を尋ねてお礼を言いに行かなければと、
落ち着かなくなります。
私も胸が熱くなって、どうしてもその人を尋ねてお礼を言いに行かなければと、
落ち着かなくなります。
ふるさとの堀は今でもあるけれど、命の恩人は生きていらっしゃるかしら・・。
心身に障害があろうと、人が人を助ける本能を持っていて、純粋に
それを行動にあらわす心は美しく感動的です。
それを行動にあらわす心は美しく感動的です。