♪ドボンと堀に落ちて | ◆VISTAの発見◆

◆VISTAの発見◆

♪いつかはきっと セレンディピティ

イメージ 1

私がまだ3~4歳の頃。

ふるさとの家の前に、それは大きな堀があった。

「菱の実」が採れるから子どもたちはここで遊ぶのが大好き。

近所の子を棒を持って追いかけまわすほど私は元気だったらしい。

親がそばにいない時、その深い堀に私は落ちて、溺れてしまった。

ドボン!ブクブクブク!!!
非常事態です。

近くにいたのでしょう、私を助けてくれたのは隣の屋敷の20歳くらいの男の子だった・・と、
突然この話を思出だすように母は語りはじめた。

男の子のことを、母は自分の頭を指しながらいう。

「あの子はここが、ちょっとポンやった。けど、何かのはずみにシャキッ!とするのよ、
びっくりするような頭のいい子やった・・」

関西弁にすっかり馴染んでしまった母だけど、ときおりイントネーションは田舎風です。

「お姉さんは学校の先生で、お兄さんもそれは頭のいい人でナ・・」

「でもあのポンの子が、アンタを助けてくれたんやデ・・」

と語りながら、母の目には涙。

ーーーーーー
私も胸が熱くなって、どうしてもその人を尋ねてお礼を言いに行かなければと、
落ち着かなくなります。

ふるさとの堀は今でもあるけれど、命の恩人は生きていらっしゃるかしら・・。

心身に障害があろうと、人が人を助ける本能を持っていて、純粋に
それを行動にあらわす心は美しく感動的です。