先日、ヴィッセル神戸ーアビスパ福岡の試合を年間シートで観戦する機会があった。試合自体は、0ー0のかなりしょーもない凡戦。勝ち点3を確実に稼げる相手をちと舐めたか。。
試合内容はさておき、最前列から8列目という、未だかつてないほどピッチに近いところでJの試合を見た感想。 「すんごい迫力」そして「フリークオヤジたちのガラ(というか口)の悪さ」に圧倒された。ヴィッセルのホーム、ウイングスタジアム(通称ホムスタ)はサッカー専用で陸上トラックがなく、ピッチと観客席がすぐそばの好スタジアム。バックスタンド側のそのほぼ最前列ということは、ほとんど監督やサブメンバーが座るベンチと同じ距離感。これはすごい。何がすごいって選手の表情はもとより、スパイクの紐まで見える距離で大きくてごついアスリートたちがすごい速さで交錯し、ドリブルで仕掛ける。ボールスピードといい、精度といい、自分がやっているのとは全く異次元のサッカーがそこにはあった。
そしてそして、そんな迫力、上手さに呆然となる俺の前後で、素人のオヤジたちが野次る。「ヘタクソー」
「イシビツ、なにやっとるんじゃ!」「(判断が)遅い!」「審判、あいつ引っ張ったぞ、今!」。これだけ近いと
罵声は選手たちにもダイレクトで届く。右サイドバックということでオヤジたちの格好の餌食となったイシビツだったが、同じサイドバックをやっている俺から見ると、(当然だが)びっくりするほど、強くてうまい。サイドチェンジのパスなんて芸術品だ。しかしオヤジたちは容赦ない。「コラー!」「お前はもうっ!」。これじゃあOBにいびられる後輩状態。オヤジたちに「んじゃ、オマエはできるのかよ、オマエは。フィールドでたら2秒で死ぬぞ!」と思ったか、思わなかったかわからないが、まあうるさい。
しかし、である。オヤジたちも相当観戦歴があり目が肥えているのか、ただ闇雲に怒っているのではなく、良いプレーにはちと少ないが拍手している。この圧力が選手を上手くし、緊張感をもってプレーさせる という側面も大いにある。
良いプレーには拍手を、悪いプレーには罵声、ではなくブーイングを 。観客も戦っていることを実感した90分だった。