福田元首相が講演でAIIB不参加方針を批判した。
http://mainichi.jp/select/news/20150407k0000m010096000c.html
今の政権運営には批判的だが、この問題については参加見送りが真っ当な判断だ。
福田氏は「先進国が拒否する理由はない。拒否すれば途上国いじめ。基本的には賛成せざるを得ない案件だ」と述べた。これは全くAIIB参加の理由になっていない。要するに、先進国だから参加すべきと言っているに過ぎない。なぜ、先進国は参加しなければならないのか。途上国支援の形には既に様々なものがある。ADBもある。ODAもある。なのに、なぜAIIB参加が大前提のようになるのだろう。
AIIBはあくまで銀行である。日本で銀行免許を与えるのにどれだけ調査する必要があるか、あるいは銀行に出資するためにどれだけ審査する必要があるか、分かっているのだろうか。福田氏は金融のことを全く分かっていない。バブル崩壊でとんでもない痛手を被った日本の元首相とは思えない発言である。
なぜこういう発言になるのか。親中派だからに他ならない。AIIBそのもののについて議論するのでなく、中国が好きか否かで判断するような幼稚な議論は問題である。
AIIBがなければ、アジアの急増する投資需要を満たせないという意見がある。需要があれば、あるだけ資金を出すのが先進国のやることだろうか。資金が大量に焦げ付いて、投資姿勢が冷え込めば、逆に途上国の発展を阻害する。それだけではない。無謀な開発が環境を破壊し、取り返しのつかない事態に発展する可能性もある。
テレビのコメンテーターは何故か必ず最後に付け加える。「まあ、来年ぐらいには日本も参加せざるを得ないでしょうけどね」と。つまり、アジアでのシェア争いに後れを取りたくない日本の大企業の圧力に政府は抗しきれないと踏んでいるのだ。テレビ局もそんな大企業のスポンサーに支えられている。
だが、日本にはバブル崩壊という貴重な経験がある。今こそ、ADB運営をより強化・透明化し、違いを見せつけてやるべきである。