人は希望がなければ生きていけないと、思う。
夫が生きて居た頃の私の希望は当然のように夫だった。
私は彼から大事に大事にされていたし、私にとっても彼は宝物だった。
で、その希望だった彼がいなくなって、私は今ぽっかり胸に穴が開いている。
どうにかしてその穴を埋めたいのだけれど、あまりにも大きすぎて穴を埋める方法が見つからない。
例えば子供がいる人であれば、生きる希望は子供であったりお孫さんだったりするのだと思う。
勿論子育て中の方にとってはとてつもない責任もついて回るけれど、きっとなくてはならないものだ。
一方子なしの私はその希望すらない。
じゃあ何を希望として生きていけばいいのだろう。
私を懸命に支えてくれる母なのか、それとも彼と一緒に我が子のように可愛がっていた猫達なのか。
猫はウチは3匹いるけど、上の2匹は今年で10歳になる。
平均寿命から考えると家猫としてもなかなかの高齢になってきた。
考えたくはないけど、正直いつ私の下から旅立っていくか分からない。
それこそ、彼みたいにある日突然その日がやってくるのかもしれない。
母とて普通に考えれば私より先にいなくなってしまう。
そうすれば私は本当に独りぼっちだ。
兄は一人いるけれど、他県に住んでいるからそう簡単には頼れない。
本当に私は何を希望に生きていけばいいんだろう。
何かに縋って生きていきたいけれど、縋っていいのかもわからない。
実は誰でもいいから助けて欲しい、私を普通の人のところまで引き上げて欲しい、と時折思っていたからか、それとも新しいパートナーが欲しいと時折考えていたからか、こんな私に一人手を差し伸べてくれる人が現れた。
彼の3周忌が終わるまで、待っていてくれるらしい。
私は今縋りたい気持ちと、でも夫という大切な宝物を喪ってまだ1年だからという気持ちの間で揺れている。
いつぞや職場の元先輩から言われた、
「良い人が現れたら年数なんて関係ない。1周忌とか3回忌とか関係なく、その時がタイミングなんだよ」
という言葉を思い出す。
まだ1年早1年。
とりあえず3回忌まで待ってくれる、という言葉の通り、後1年ゆっくり考えていきたいと思う。
正直まだ私の中で気持ちが定まっていない。
でもその人が私の新しい希望になるかはまだわからないけれど、やっぱりまだ明るい未来があると思って生きていきたい。
読んで下さりありがとうございました。