企業組織として何よりも強い集団とは、その組織を構成する全ての人が、経営者意識を持っていることであります。どんな事業であれ、経営者となっている人は、売り上げから必要経費を差し引き利益が出なければ、収入を得ることは出来ないし、事業開始の時は、たとえ大きな金額ではなくても元手が要ったのです。

 

従って経営者とは代価を支払うことや、先に投資する事を当たり前の心構えとしている人であります。一方サラリーマンは、雇用契約を結び、入社すればたとえ何も貢献しなかったとしても、働いた日数分の賃金を要求する事は出来ます。

 

従って悪く言えば、サラリーマン意識とは、出来るだけ楽して代価も支払わず、必要な投資もせず、収入を得ることを求めたがる心構えと言えるでしょう。

 

これは経営者が素晴らしく、サラリーマンがダメだと言っているのではありません。意識・心構えの問題であります。従ってなかには経営者でありながら、サラリ―マン意識しか持っていないような経営者もいますし、反対に現実はサラリーマンであっても、実際の経営者以上に経営者意識を持った人もいるのです。

 

お金という代価、時間という代価、そして先に行動するという代価を、自分が望む収入に、必要なだけ支払うという経営者意識を持った人であるなら、又そのような人が多い集団なら、着実に成果を出していくはずであります。

 

次にサラリーマン意識と経営者意識の違いは、責任感という点で顕著に表れてきます。「人間の器」という言葉がありますが、ひとつの考え方として人間の器とは、責任範囲の大きさだと云えると思います。

 

従って同じ経営者でも、企業規模や社員数が多くなる程、大きな責任が要求されるはずであり、それに伴ってその人の器も大きくなるのだと思います。

 

もし、一人一人が自分の責任という事に対して、絶対的な自己誓約の出来る人たちの集団なら、その組織が崩壊するなどあり得ないのです。

 

また経営者は、自分一人ではたいした事は出来ないという事を知っているが故に、他人の力を必要とし、他人に対し、感謝の心や恩を感じ、それに報いたいと思う心、他人の成長を助け、そしてそれを喜べるような人でなければ、人の協力を得ることは出来ないでしょう。

 

組織メンバーが、このような経営者意識を持った人達の集団なら、社員相互の信頼関係はもちろん、明るく活気に満ちた社風になっているはずであります。

 

そして、何よりも企業組織というものは、利益を上げることを目的とするわけですから、原価意識、投資と回収という事に頭が回らないようでは、生産性の高い仕事は出来ず、その結果、努力はしているようでも儲からない仕事、儲からない会社になってしまいます。

 

故・松下幸之助氏は「儲からない仕事は悪である」と断言しています。その真意は、企業が利益を上げなければ存続する事が出来なくなる。存続できなければ、その企業が提供している商品やサービスを、顧客は受け続けることが出来なくなり、それは顧客に対するサギに当たるというのです。

 

従って組織メンバーの誰もが、利益を上げるということに対して、経営者と同じ責任と情熱を燃やしているような集団こそ、強い組織であります。