この絵は、わたしが、あの阪神・淡路大震災直後に洲本で生活しながら仕事をすることになったとき、合間を見つけてスケッチしたものです。
鐘紡の盛んな製糸工場が赤レンガの美しい公共の施設に生まれ変わった洲本のまちの中心部に、このユーカリの巨木がそびえていました。
この木をはじめて見たときから心がゆすぶられ、いつか絵にしてみたいと思っていましたが、ようやくそれを果して「いのちの営み」という題をつけたとき、自分も淡路島の人々のつながりに入れたというれしさを味わったことが、いまでも忘れられません。
最近になって、地元の絵のグループの画集にこの絵を出させていただいたところ、それをご覧になった方からお手紙が届き、次のようなことが書かれていました。
<自分の知り合いにこの画集をみせたところ、もう60年も前のようですが、その方は当時の鐘紡の病院に勤めておられ、毎日このユーカリのそばを白衣を着て通ったので、絵を見て大変なつかしかった、とのことー>