東金市の事件。
最初に映像見て「あれ?」と思ったのだけど、精神発達遅滞との診断が出ているようですね。
毎日新聞のサイトより。
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東金女児遺棄:「精神発達遅滞」口頭で実名発表 千葉県警
千葉県東金市で起きた成田幸満ちゃん(当時5歳)の死体遺棄事件で、東金署捜査本部は、勝木容疑者が「精神発達遅滞」と診断された経緯をふまえ、記者発表資料では匿名とした。ただ、事案の重大性を考慮するとして、口頭で実名を明らかにした。刑事責任能力については「警察で判断することではない」と述べた。
刑事責任能力の有無については通常、「精神鑑定」などを実施して検察庁が判断する。
精神科医で「まいんずたわーメンタルクリニック」(東京)の仮屋暢聡院長は「10代で軽度の精神発達遅滞と診断されても、社会適応でき、成人後に障害が残ることは少ない。仕事もできる。通常は刑事責任能力もあるが、一部には特殊な思考を持つケースもあり、善悪の判断ができていたかは一概には言えない」と話す。
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ちょうどWICCAのブログでも知的障害の話題を出したばかりでした。
定義はICDとかDSMとかAAMRとか、微妙に差異があるのですが(栃木県の地域保健福祉ネットワーク のサイトに分かりやすくまとめられていました。[心の病気]→[精神発達遅滞 ]参照のこと)、WICCAはAAMR支持派(?)なので、適応できてたかどうかが刑事責任能力の判断のカギになるのかなぁ、と思います。
で、引き続きニュースサイトの引用。
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東金女児遺棄:逮捕の瞬間「うん」 女性つけ回しも
千葉県東金市で起きた成田幸満(ゆきまろ)ちゃん(当時5歳)の死体遺棄事件は発生から約2カ月半で、現場近くのマンションに住む男が逮捕された。無職の勝木諒容疑者(21)は事件前日、3年間勤めた会社を辞め、事件後に若い女性をつけ回す不審な行動もとっていた。事件は全容解明に向けて急展開したが、遺族は「生きた幸満を返して」と語り、悲しみが癒やされることはない。
捜査本部によると、勝木容疑者は、逮捕の瞬間「うん」とうなずいた。その後の調べで、遺棄を認め「(幸満ちゃんが)ぐったりしていて怖かった」と説明した。また、勝木容疑者の部屋には、女児向けアニメのポスターが壁に張られ、本棚にも「プリキュア」シリーズなどの少女漫画が並んでおり、部屋一面が漫画に囲まれた状態だった。
勝木容疑者が「仕事がいやになった、もう行かない」と3年間勤めた会社を辞めたのは事件前日の9月20日。事件後には、報道各社の取材に何度も応じる一方、女性記者や同じマンションに住む若い女性をつけ回す不審な行動もあった。
勝木容疑者は、母親と2人暮らし。母親は自宅近くの飲食店に勤めており、息子のために店の残り物をよく持ち帰っていたという。女性従業員は「(勝木容疑者が)店の前で母親を待っている姿をよく見た。母親は息子を溺愛(できあい)していた」と話した。
勝木容疑者は、地元養護学校高等部を卒業後の05年4月から、学校の紹介で隣の市の寝具会社に就職した。志望動機には「会社のためにいっしょうけんめいがんばりますので、よろしくお願いします」と書かれていた。
平日の午前8時~午後5時半、主に布団の綿の打ち直し(修理)作業に従事していたが、勤務態度はまじめとはいえず、従業員から「会社は仕事をする場所、仕事をしなさい」としかられると、ふてくされたような態度をとったという。
8月、同僚女性(51)に「仕事がつらい」と話し、28日から無断欠勤するようになった。会社側が携帯電話に連絡してもつながらず、自宅を訪れても会えなかった。話し合いの末、母親が「本人が行きたくないと言っている。やめさせます」と伝えてきた。会社側は「理由はわからない」と説明している。
この同僚女性は先月10日ごろ、勝木容疑者から、「みんなに会いたいからご飯に行く時は誘って」とのメールを受け取った。数日後、東金駅前の飲食店で5人で会ったが、変わった様子はなかったという。女性は「逮捕は信じられない。事実ならば、裏切られた思いだ」と語った。養護学校の担任は「明るく元気だった。ショックで何も話すことはできない」と話した。
一方、同じマンション3階に住む女性によると、9月下旬、20代の娘がエレベーターから自室前まで勝木容疑者に後をつけられた。数分後、インターホン越しに「娘さんに用がある」と言ってきたため用向きを尋ねると切ったという。
直接取材していた毎日新聞の女性記者が、現場近くで取材をしていると、出会った勝木容疑者が後をつけてくることもあり、10月上旬には1日10回以上、無言電話などをかけてきた。
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とても適応できているようには思えませんねぇ。
これで健常者とおんなじ刑事責任を問うのはちょっと厳しいかなぁ。
ただ、責任能力が問えるか問えないかって話題になるといつも思うのですが、責任ゼロにはすべきじゃないと思うんですよね。あくまでも、健常者とおんなじには出来ないという範囲で。
しかし、<女性従業員は「(勝木容疑者が)店の前で母親を待っている姿をよく見た。母親は息子を溺愛(できあい)していた」と話した。>という件はなんとも微妙な気持ちになりますね。
ひとり親家庭で子どもが障害を抱えていたら、溺愛とも取られるような心境でいなきゃやっていけなかったと思いますよ、このお母さん。
それでも、心配なところがありながら仕事を3年間続けさせたのは相当な覚悟がなければできない話で、単純に溺愛してたなんて評価は出来ないんじゃないでしょうかね。
本当に溺愛してたら、子どもが職場で叱られてたらすぐにやめさせちゃいます。
インタビューされた女性従業員の方は、メールのやり取りをしてたようなので、決して批判するつもりはないですけどね。
記事の書かれ方とかインタビューされた人のコメントなんかを見てると、日本はノーマライゼーションとは程遠い国なんだなぁ、と実感してしまいます。
単に受け入れるだけじゃなくて、理解が出来ないと、とても「ともに生きる」なんて出来ないです。
社会の理解なしに、障がいを持つ人個人が定型的な自立を目指しても、結局は適応出来ないんです。
障害者自立支援法なんかも絡んで、知的障害を持つ人による事件は、きっとまだまだたくさん出てくるんじゃないかと思います。
社会状況もちゃんとアセスメントした上で現状での自立っていうのが何かを考えた制度設計をしていかないといけないんじゃないかなぁ、と思います。