今更ながら、『積木くずし』を読みました。
ドラマは知ってるけど、原作の本はちゃんと読んでなかったのね。
- 積木くずし―親と子の二百日戦争/穂積 隆信
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まず、この本の著者へのバッシングが結構気になっていたので、そこらへんを意識した本の感想から。
これは、大衆向けに読ませたり映像化したりするべき本ではなかった、というのは間違いなさそうです。
書くこと、語ることでこの家族が振り返ったり気持ちの整理をつけること、カタルシスとしての意味はあるし、同じような状況にある保護者に読ませることで困難感を共有し不安を軽減したりアイディアを得たりする効果があるし、
バッシングの対象になるようなものではないと思います。
ただ、著者が俳優とのことで、うっかり周りの人やマスコミが盛り上げっちゃったのはあまりよろしくなかったですね。
最近のケータイ小説の映像化なんかもそうだけど、結構安易な判断でやってるように思われます。
作ってる人が大人じゃないんだと思ってたけど、今も昔も大人の判断とは思えないもの、結構ありますね。
「おとな」と「こども」は大差ないことを大人たちによく自覚してもらいたいと感じます。
非行への対応って、ほんと難しいですよね。
心理鑑別技師対応は色々参考になるところがあったのだけど、「心が治れば全て治ってきます」ってのはちょっと危ない発言かな。
行為障害の本なんか読んでると親子関係の調整が重視されているので、それには沿ってるとは思うんだけど、親子の「治療」をすれば非行がなくなるかっていったら、あっという間に非行は激減してるはず。
この辺の発想は、いかにも心理の専門家の発想のような気がしました。
もっとも、保護者が振り返って書かれているものなので、本人の言葉ではないし、安心させるための方便だったかもしれないのでなんともいえませんが。
というのも、よくこの本の解説やあらすじが書かれてるものを見ると「イジメを受けて非行に走った」かのようにか書かれているのだけど、それは引き金の一つにはなったかもしれないけどそんなに重要な出来事ではないように感じられました。
当時の社会状況を考えると、誰でもリスクはあったはずなんです。絶対、本人と保護者だけの問題ではありません。
続きを読んでいないから分からないけど、この家族への治療だけでは絶対にうまくいくはずがないと思ってしまいました。
それに、本の中で母親が度々心配していた「健康」については配慮されていなかったですね。
治療は「親に対する行動を矯正する」ことに終始されていたように思います。長期間身体的健康が蝕まれる事態が続いたら、本当の意味での心の健康にはなりません。
家族再統合は、治療が出来るベースを作っただけに過ぎないので、病的な面に関してはなんのアプローチもされていません。
ただ、非行ケースの家族再統合に関してはかなり役に立ちそうな1冊です。