フランス語の翻訳オンライン講座、第1回目の課題を無事提出しました。
第1回目は、レジュメといって、つまり、どんなストーリーなのかを3通りの方法で要約するんですけど、それを見て「読んでみたいなぁ」って思わせなくちゃいけないんです。
なので、コピーライター的センスも必要になってくるんですね。。
自分の場合、感覚でちゃちゃっと書き終えると、それで満足しちゃって、推敲(すいこう)するのが苦手なんです。
今回、プロの方につっこんでもらって、自分の弱点が暴かれてゆくのが楽しみです音符→ホントか!?


というわけで、お待たせしましたが、ガウェインと緑の騎士の最終話でございます。

新年を迎え、私たちのヒーロー、ガウェインが目を覚まして緑の騎士を探すための準備を始めたとき、
外は激しい嵐でした。

あまり良い兆候ではありませんが、ガウェインは約束を果たすため出かけることにしました。
彼は、ベルトに城主の奥さんからもらった緑のひもを結び、侍従が甲冑を身につける手伝いをし、
愛馬グリンガレットにまたがりました。

城主は、ガウェインが行くべき道を教え、別れのあいさつを交わしました。

雪が舞い上がる中、険しい岩山をやみくもに進まざるをえませんでした。
けれどもグリンガレットは、そこに行けば緑の聖堂が見つかるだろうと城主が言った、川に向かって勇敢に突き進みました。

しかし、ガウェインは似たような城を見つけることができず、
代わりに、彼の前に大きく開いた薄暗い洞窟を見つけたのです。

「神聖な場所どころか、悪魔の洞窟のようだな」グリンガレットが浅瀬を渡る間、ガウェインは独りつぶやきました。

彼が向こう岸にたどり着くやいなや、岩が転がり落ちる衝撃的な音がどろろきました。
そして、洞窟の入り口では、緑の鎧に身を包んだ、力強い男の姿が斧を振りかざしていました。



「約束を守ったことに感謝するぞ」緑の騎士はあいさつ代わりに言葉を発しました。
「円卓の騎士たる者、約束は必ず果たす」ガウェインは返します。
しかし、斧の刃が光るのを見て「長居はしないぞ」と付け加えます。

ガウェインは兜を脱ぎ、一撃を受けるため、うなじをあらわにします。
緑の騎士は、彼に近づき、復讐の武器を振り上げます。

どんなにがんばっても、ガウェイン卿は、斧が空を切る音を聞いて震えをとめることができませんでした。
「臆病者と言わせるな。おまえが俺を切りつけ、首が転がっても、俺は震えたりしなかったぞ」
緑の騎士はからかい半分に言いました。

そこでガウェイン卿は、改めて頭をたれ、今回は微動だにしませんでした。
斧が彼の首めがげて襲いかかり、血がほとばしりました!!

雪は赤く染まりましたが、実のところ、傷はそんなに深くなかったのです。。

そのとき、ガウェインは敵がもう1度切ろうとするのを見ました。
「何をするのだ。約束と違うぞ!」ガウェインは叫びました。
「ただ1撃という約束だったではないか・・・」

「それは1年前の約束だ。おまえはつい最近した約束を忘れたのか?」
そう言って、彼は兜のひさしを上げた。
その冷酷な表情をした顔は、何と、今朝別れを告げた城主と同じではありませんか!!

「そうだ。あなたは、わたしの城で受けたもの全てを返してくれていないだろう」

恥ずかしさで顔を赤らめながら、ガウェインは、腰につけた緑のひもをほどき始めました。
緑の騎士はそれを妨げて、言いました。

「そのひもは持っていなさい、友よ。女性の魅力に気をつけるよう、覚えておくために。
あなたをそそのかすよう、妻に命じたのはこのわたしだ。
あなたはまだ若い。賢く勇敢な男は、女性の誘惑に負けないようにするのだ。賢者ソロモンやダビデ、サムソンのように。。」

ガウェインは、その忠告を受け入れるばかりでしたが、どうしてもある質問をしてくてたまりませんでした。
「あなたが何者なのか、どうしてそのような呪いがかけられたのか、教えてくれませんか」

「わたしは湖の騎士、ベルシラック卿だ。わたしは、力を伝授してもらうためにマーリンを誘惑した妖精に、魔法をかけられたのだ。
彼女は、アーサー王とその騎士たちの勇気を試すため、わたしをキャメロットに送ったのだ。
さあ、城へお戻りください。王があなたのことを心配している」

ガウェイン卿はグリンガレットに拍車を入れ、キャメロットに戻るため、雪の嵐の中を駆け抜けて行きました。
彼はもう、緑の騎士との冒険話しを仲間に話したくて、うずうずしていました。

第9話 -完-