【第1話あらすじ】


全てはトロイ戦争と共に始まる。


逃亡者エネはどのようにして古代ローマ国家を設立したのか。そしてその孫ブルータスは、どのように国外追放という苦難の旅を乗り越えたのか。


女神アテネの神託と約束の地への旅。トロイ人がついにブルターニュに到着する。








どのようにして、前回の会戦による砲火や、かの都の遺灰が私たちを物語に誘う(いざなう)痕跡を残すことになるのかは、続きをご覧いただきたい。


トロイの街はペルガム城の梁(はり)、壁、石垣を包み込む、炎の餌食となった。


その城はかつて長い間、栄光ある王たちが君臨した場所であったが、火災による大損害で崩壊してしまった。





勝利に酔ったギリシャ人たちは、奴隷とするべく女・子供を略奪し、まだ抵抗する可能性のある生き残った男たちを容赦なく殺しながら、街を進んで行った。


ギリシャ人が都に侵入するために隠れていた巨大な木馬が、血の海と炎の中に横たわる戦士の死体の上に、その不吉な姿を現した。





偉大な英雄トロイ人たちは、一人として生き残ることはなかった。勇敢なヘクターは不慮の死をとげ、また、彼と共にプリアム王と彼の50人にのぼる息子も命を落とした。








しかしながら、ギリシャ人が豪華な戦利品を持ち運んでいる間に、女神アフロディテとトロイ人指導者アンシスの息子である信心深いエネは、ひそかに街を逃れた。


彼はトロイの城壁地帯にたどり着く前に、何度も死にそうになるが、ついに逃亡することができたのである。


明け方、彼はイーダ山のふもとに到着し、そこで他の逃亡者たちと合流した。


彼らは岬から、生まれ故郷の街が炎に焼き尽くされるのを、建物の輪郭が次々と姿を消していくのを、成すすべも無く見入っていた。


続いて静寂が、赤く輝く炭火の上を支配した。








運命が、逃亡者に死をもたらさないのならば、彼に何が出来ただろう?新しい祖国を捜し求めて広大な世界を走る以外に。


イーダ山に守られて、エネは船団を作らせ、彼の若い息子アスカーニュと父を伴って海へと出た。 つづく






【ひとこと】


たったこれだけ訳すのに膨大な時間を費やしてしまいました。ひゃ~。


スピードも翻訳の大事な要素なので、もっと手際よくできるようにならないと。


何気ない気持ちで「円卓の騎士」を選んだけれど、ギリシャ神話などいろいろな知識がないと難しいことがわかりました(汗)。


詳しい方がいらっしゃいましたら、ご教授いただけるとありがたいです。


それにしても。。目の前で自分の生まれ故郷が壊滅する姿を見てるって。。。つらいでしょうね(涙)。


三重で大きな地震があったようですが、被害に遭われた方のご回復と早くいつもの生活に戻れますことをお祈りいたします。