A'sW3-37 2つの招待
「ども、はじめまして。ナイスです姉茶です。突然のメッセ、スンマセン。
ワイは関西の人間ですが、東京の方でロイス3と皇騎に会ったことがあると思います。
ワイはこの2人と浅からぬ関係がありまして… 実は今、ロイス3は皇騎とのことがきっかけで、大変なことになっています。
是非、会ってナナガイキさんに話しておきたくて… ただ私は、東京に行くことができません。
今度の土曜、阪神競馬場に来てくれまへんか? 日曜は用事があって…
旅費出せるわけではないけど、どうでっしゃろ? 返事待ってます」
徹はナイスです姉茶、つまり小杉からのメッセージを読み、自分の予定を慎重に考えた。
12月の歳末商戦の準備はひと通り終わった。10日ごろの各社ボーナス支給日以降はまた忙しくなるだろうが、つかの間の「休息」が取れる期間ではある。
徹がとくに引っ掛かったのは、ロイス3こと新城が、今 大変なことになっているという部分だった。
小杉とメッセージのやりとりをする手はあるが、皇騎の事を含めて尋ねると、メッセージを何往復させる必要があるか分からない。
「決めた。仁川に行こう」
翌日、徹は新幹線の回数券と宿の手配をした。小杉と会うのは土曜日だったが、1泊して日曜のGⅠ・ジャパンカップダートも観戦しようと思っていた。小杉には土曜日、阪神競馬場へ向かうメッセージを送った。
小杉にメッセージを送って数時間後、徹の携帯にメールの着信があった。山下茜からだった。
「浦和ぶりです。お元気ですか?
またまた、デートに付き合ってくれませんか? 今度はデートというより、小旅行。
来週の月曜、休暇とれませんか?
そうしたら、日曜日は阪神競馬場へ行って、その日の夜に高知へ移動、月曜日は高知競馬場に一緒に行きたいのです。
日曜日の大きなレースは知っていると思いますが、月曜の高知競馬は、女性騎手の熱き戦いの最終戦があるんです。是非、徹さんと一緒に行きたいです!」
徹は携帯を床に落とし、しばらく動けなかった。
「高知??!!!!」
思ってもいない展開だった。あのハルウララがいた高知競馬場。興味はある。だが…3日連続競馬の旅。
徹は回答を保留した。とりあえず、12月7日の月曜日に休暇が取れるか、確認するしなくては、茜にはつきあえないからだった。