A'sW2-38 敵に頼る
再び徹は仕事が手につかなくなった。
紫は、間野ゆかりではないというのか。ユーカリこそがゆかりなのか。
アタマが混乱する。
しかし、1つ確実なことがある。
紫とユーカリ、少なくとも1人は嘘をついている。同姓同名の別人でない限り。
ただ、嘘をつく理由は、さっぱり見当がつかない。
定時に仕事を切り上げ、徹は早々と帰宅した。
今となっては当たり前だが、淋しく1人前の夕食を作って食し、シャワーを浴びた。
そしてPCを立ち上げ、SNSを開いた。
「まず、ユーカリに返信するべきか、紫にメッセージするべきか…」
1時間迷ったが、答えは出ない。
しばらく別のサイトを徘徊していたとき、ふと1つの事実が、徹の頭の駆け巡った。
「そういえば、ロイス3って、紫さんと1度、デートしているんだった……」
頭の回転速度が急激に上がった。何をすべきか。まず、紫が本当に間野ゆかりなのか。
ロイス3は、そのヒントを持っているはずだ。
ロイス3は徹にとって疎ましい奴であったが、ここは頼るしかない。
早速、SNSのメッセージを作成し、ロイス3に送信した。
「ロイス3さん、お久しぶりです。
突然のメッセージでスミマセン。1つお願いがあります。
第1ピリオド優勝して、『ご褒美』として紫さんとデートしてますよね?
その時、携帯とかで紫さんの写真撮ってませんか? ツーショットでも良いんですが。
写真あったら、それを僕に送ってもらえませんか?
理由は…説明しづらいんですが…送っていただけたら、お教えします。
お願いです! 前にも一生のお願いをしたけど…もう1度、一生のお願いをさせてください!」