マイコバクテリウム属:非結核性抗酸菌
マイコバクテリウム属(Mycobacterium spp.):
非結核性抗酸菌(Non-Tuberculous Mycobacterium:NTM)
非結核性抗酸菌(NTM)は、水道水から検出されるが、自然界や病院環境中に存在する。
病原性はきわめて低く、宿主側の免疫状態と大きく関連する日和見感染症の起炎菌である。
病態として成人での肺疾患、小児での頸部リンパ節炎、軟部組織・骨感染症、エイズなどの免疫能低下患者の全身感染症を引き起こす。
NTMと結核菌との大きく異なる部分は、たとえ排菌していても人から人へ感染する事が極めて稀で、水に関連する器具・器材などを介して感染していく事である。
しばしば起こるのがNTMで汚染された水で洗浄された気管支鏡である。
M.chelonae、M.gordonae、M.xenopiが気管支洗浄液で検出された場合は胸部レントゲンや臨床症状を考慮して判断が必要である。
塩素系の消毒薬には耐性であり、M.aviumやM.kansasiiはアルデヒド系の消毒薬にも高度耐性であるので注意が必要である。