「あの日に帰りたい」と号泣したところで
光陰の女神は微笑むはずもなく
アインシュタインの唱えるところの
相対性理論に依れば
あの日に帰ることは出来ない。
恋の女神が一度だけ微笑んだ
”あの日”へ戻りたくても
それを取り巻く環境はことごとく
否定している。
可能なのは漫画や映画の虚構の世界だけ。
ドラえもんのタイムマシーンがほしい。
泣きながらちぎった写真を
手のひらにつなげてみるの
悩みなききのうのほほえみ
わけもなくにくらしいのよ
青春の後ろ姿を
ひとはみな忘れてしまう
あの頃のわたしに戻って
あなたに会いたい
暮れかかる都会の空を
想い出はさすらってゆくの
光る風 草の波間を
かけぬけるわたしが見える
青春の後ろ姿を
ひとはみな忘れてしまう
あの頃のわたしに戻って
あなたに会いたい
今愛を捨ててしまえば
傷つける人もないけど
少しだけにじんだアドレス
扉にはさん帰るはあの日に
お越しいただきありがとうございましす。
心の中に大切にしまい込んでいる
あの日の1ページ。
ツーショット写真すらないけれど
本人かどうかわからない写真しか
ないけれど
何をよりどころにすればいいか
分からないけれど
確かに心が通じ合っていたあの日に帰りたい。
どこまでも続く宇宙。
このどかに彼女がいると信じて
今日一日生きている。
そしていつかどこかで再び会えることを
信じて!
(フィクション)