「魔女の家」は、ふみーさんによって制作されたRPGツクールVX製のホラーアドベンチャーゲームです。2012年10月3日にフリーゲームとして公開されました。

ゲームのジャンルは「サバイバルホラー」と「脱出ゲーム」であり、1人プレイのダウンロードゲームです。

 

 

 


ゲームは森の奥にある魔女の家からの脱出を目的とし、プレイヤーは謎を解きながら進行します。

ゲーム内には「魔女の日記」が登場し、魔女の過去が断片的に明らかにされます。最深部の日記からは、魔女の本当の目的が明らかになります。

 

 

魔女の家 ver1.09 公式サイト



ゲームの対象年齢は12歳以上で、暴力や血液の表現が含まれています。

このゲームは、フリーウェアとして公開され、話題となり、ふりーむ!のダウンロードランキングでは1位にランクインしました。


さらに、RPGツクールMVでリマスターされたバージョンもリリースされ、Steam向けに提供されています。

2022年10月13日にはNintendo Switch、PlayStation 4、Xbox One版も発売されました。





魔女の家の内部には様々な仕掛けが施されており、少しでも間違った行動をとると主人公は即死してしまう事があります。

主人公の少女の可愛らしさとは対照的に、血が飛び散るなどゲーム内の表現はグロテスクです。


ただ主人公が死んでしまうだけでなく、謎解きのための自分の行動が他者に害を与えるなど、不快な展開が用意されており、

ホラー表現のバリエーションが豊富に用意されています。



フリーゲームの歴史上、ホラージャンルの隆盛に影響を与えた先駆的作品であり、

「魔女の家」をプレイしたことがきっかけで、他のゲームクリエイターが新たな作品を生み出すなど、ホラーゲームの世界に大きな波紋を呼び起こしました。


2013年10月31日には、エンターブレインから小説「魔女の家 エレンの日記」が発売されました。

これは、作者のふみーさん自身による書き下ろし小説であり、フリーのホラーゲーム史上初めての試みとされています。





小説の物語は、ゲーム本編より前の出来事が書かれており、少女エレンの悪魔との出会いから魔女への変化が明らかになります。

さらに、影崎由那によるコミカライズ版が「月刊ドラゴンエイジ」で連載され、単行本として発売されました。


また、Kindle版も存在し、紙の書籍版とほぼ同じ内容ですが、追加の短編小説と挿絵が含まれています。

2018年10月31日には、リマスター版のゲームである、「魔女の家MV」が発売されました。





これは、DANGEN EntertainmentからSteam向けにリリースされたゲームで、開発ツールがRPGツクールVXからRPGツクールMVに変更されています。

このゲームは多言語対応で、開発者はグラフィックやゲームプレイの向上に取り組み、開発期間はフリー版の5倍以上かかりました。


新要素として、難易度選択が導入され、高難易度モードでは謎解きや日記の内容が変更され、フリー版にはなかった要素が追加されています。

Easyモードではゲームオーバー時にその場で再試行でき、条件を満たすとExtraモードが解放され、高難易度のトラップが増えるなどの変更が加えられています。





2020年6月16日には、「魔女の家」のスマホアプリ版がリリースされ、iOSとAndroidに対応しています。

このバージョンでは動画を視聴してヒントを得ることや、ゲームオーバー時のリスタートが可能で、通常モードと倍速モードの2つの難易度が用意されています。


倍速モードはゲームをクリアすると利用できます。さらに、即死トラップやイベントに遭遇すると「死の記憶」と呼ばれるコレクション要素も記録されます。

「魔女の家」は難易度がやや高く、初見殺しの即死要素が多いゲームです。ゲーム内には幅広い死亡パターンが存在します。


少しずつ謎を解き明かしながら、ストーリーを進めていくという特性があるため、

プレイ前に種明かしをされたくないと言う人は、ネタバレにつながりそうなサイトや動画の閲覧を避ける必要があります。


ストーリーは、主人公のヴィオラが森で目を覚ますと、帰り道を巨大な薔薇にふさがれて帰れなくなるという出来事から始まります。

彼女は森の奥に進み、魔女の家と呼ばれる大きな家を見つけます。





登場人物には、主人公ヴィオラ、ヴィオラの父親、しゃべる黒猫、そしてヴィオラの友達であるエレンがいます。


プレイ動画や実況動画を動画共有サイトに投稿する場合、制作者であるふみーさんへの許可は必要ありませんが、

動画タイトルに本作品名を明記することと、特定の禁止事項が守られていることが使用条件となります。


「魔女の家」のプレイ動画や二次創作には、ガイドラインが設けられています。

二次創作公開の許可を取り、ふみーさんからの許可がおりれば、これらの規制に抵触する二次創作活動も行うことができます。


公序良俗に反する動画、フラグの回収方法や逃げ方の解説など解説目的の動画、ゲーム内容の一部のみを公開する動画は禁止されています。

また二次創作活動においては、エレンの物語を無視する別の物語を二次創作することを禁止しています。





その理由は、エレンが作品の中で築いてきた世界を無意味に帰す行為であるためです。

物語は彼女の意思と行動に基づいており、彼女の望まない結末や世界の創作を行うことは、彼女や作品自体を否定することにつながると、ふみーさんは考えています。


つまり、エレンの願いを叶えず、ヴィオラが救われるストーリーを二次創作で作ってはいけないと言う事でした。

一部のユーザーからは、作者の愛情がエレンに偏っており、ヴィオラに対する愛情が薄いと指摘する声が上がっています。


また、ヴィオラの救済がされないことについて議論されており、作者のスタンスに対して様々な意見が存在します。

作品は胸糞悪い展開を含むホラーであり、それが作品の特徴です。自分の趣味には合わないと言う人もたくさんいるでしょう。


真相ルートで明らかになる結末に、納得のいかない人もいるかもしれません。

しかし、最後のどんでん返しがあってこその、この作品であり、胸糞展開を受け入れられる人にとっては、質の高いホラーゲームとして評価されています。