ゲキヤクは、UTAU向けに制作された音声ライブラリ、およびそのイメージキャラクターの名前です。

くるくる数字さんによって提供されたUTAU音源の一つで、キャラクターデザインや立ち絵もくるくる数字さんによって制作されています。

 

 

 


この音源の最初の公開は2016年6月21日で、音声ライブラリの正式配布は2016年11月6日に行われました。

ゲキヤクは、軽やかで女性らしくありながら、高音域に張りがある声を特徴としており、UTAUユーザーに広く利用されています。

 

 

 


ゲキヤクシリーズには、ゲキヤク(無印)の他に声の印象やカバーしている音階の違う音源が大量にあり、

英語以外の音源には、錠剤・点滴・注射・偽薬など薬の名前が付けられているのが特徴です。


各音源ごとに、髪形や衣装の違うキャラクターデザインが発表されています。





ゲキヤクの特徴は銀髪と赤い瞳、そして喪服を身にまとっている点で、その設定には死体やゾンビといった要素も含まれています。

これらの衣装には、スカートの裏地などに赤色が差し色として使われることがあります。





性別は女の子で、身長は150cm、体重は38.8kg、年齢は16歳です。

好きなものはお薬、嫌いなものは神様です。彼女の一人称は「私」で、二人称は「あなた」です。


お薬を飲ませる事と読み聞かせが得意で、大好きだった弟が亡くなった後、彼の亡骸に話しかけるなど精神的に不安定な一面もありましたが、元気な性格です。

弟の姿形はほぼ覚えていないため、弟に似ていると感じる物や人に話しかけます。





また、赤い表紙に「Family」と書かれた家族アルバムを常に持ち歩いていますが、中身は綺麗な写真が一枚も含まれていないようです。

実はゲキヤクは既に亡くなっており、ゾンビのような存在です。しかし、本人は自分が死んでいることに気付いていないようです。





2023年8月22日、ゲキヤクは、VOCALOID β-STUDIOの歌声合成プラグインVX-βのボイスバンクに参加しました。

VOCALOID β-STUDIOは、YAMAHA株式会社が合成音声の常識を打ち破ることを目的として立ち上げた、実験的な研究スタジオです。


初の試みとして公開されたのが、技術試作であるAI歌声合成プラグイン「VX-β」です。

VX-βには、9つの異なるボイスバンクが含まれていますが、そのうちの一つがVX-β版のゲキヤクである「ゲキヤクβ」です。

 

 

 

 

ゲキヤクのVX-βへの参加は、VOCALOID β-STUDIOがゲキヤクの作者であるくるくる数字さんにコンタクトを取り、交渉したことによって実現しました。

UTAUのデータをそのまま利用しているのではなく、新たに歌声データを学習させて作られています。


VX-βは、参加申し込みをした人の中から抽選で無料配布される形で、一般に配布されています。

想定以上の応募があり、受け入れ態勢の都合上全員に配布することができず、順次配布数を拡大しているところだそうです。
 

 

 


現在、VOCALOID β-STUDIOは2024年3月末までの期間限定の活動を予定しており、2024年4月1日以降はVX-βが起動できなくなります。

あくまでも期間限定の試作と言う事ですが、ゲキヤクの新たな歌声による作品が増える事と、音声合成ソフトの世界に新たな可能性をもたらすことが期待されます。