鏡音レン(かがみねれん)は、クリプトン・フューチャー・メディア株式会社が提供する、バーチャルシンガーソフトウェアとそのキャラクターです。

彼は「ピアプロキャラクターズ」に属し、鏡音リンと対をなす14歳の少年で、声の提供は下田麻美さんが行っています。


2007年12月27日には初音ミクに続くCVシリーズ第2弾として、リンと同一パッケージで「鏡音リン・レン」が発売されました。

彼の名前の由来は、「鏡に映ったような対の姿(声)」を表現し、その歌声が鈴のように美しく広い世界に響くことを意味しています。

さらに、「LEN」という名前にはステレオの「L」の意味も込められています。

 

 


鏡音レンには、 二次創作由来のイメージアイテムとしてバナナとロードローラーがあります。

公式企画によって彼のキャラクターは変化し、無垢な少年のイメージやリンと一緒に活発なキャラクターとして描かれることがあります。

創作物の作者によって、ポジションや性格も変わるため、様々なレンのキャラクターが存在します。





彼の容姿はリンと同じく黄色い髪に青い目をしており、髪の毛のはねが特徴的です。

リンよりも少し短い髪を後ろで結んでおり、彼のセーラー服は黄色とグレーを基調としています。

 

 

 


胸当てにはヘ音記号のマークが描かれ、これは彼と対照的なト音記号のリンとの音域の違いを示していると考えられます。

アームカバーとレッグウォーマーを両腕と両足に着用し、爪は黄色です。

 


ネクタイをつけ、ハーフパンツを履いており、ミクとは色違いでギザギザ模様のベルトをしています。

また、右肩には赤い文字で「02」と書かれています。

 

 

 


鏡音レンのキャラクターデザインは、初音ミクや鏡音リンと同様に、イラストレーターのKEIさんが手掛けています。


最初は鏡音リンが単独で発表されましたが、後にレンも同時に収録されることが明かされ、多くのユーザーを驚かせました。

この展開は多くの注目を浴び、ソフトとしての鏡音リン・レンは「初音ミクブーム」真っ只中のタイミングで登場し、多くのユーザーの関心を引きました。





発売当日には、ニコニコ動画が長期のメンテナンスにより利用できなくなるアクシデントがありましたが、

それにも関わらず多くの動画が投稿され、年末年始にかけて大きな盛り上がりを見せました。


2007年12月28日に投稿された【鏡音レン】鏡音レンに鳥の詩を歌ってもらった【ショタロイド】は、

わずか14時間で再生数が10万回を超え、VOCALOID殿堂入りを達成しました。





鏡音リン・レンの特徴として、初音ミクと比較すると、そのクセの強さが指摘され、扱いが難しいとされています。

初期段階ではその扱いに戸惑うユーザーも多かったようですが、調整方法が確立されるにつれて、独特の声質を活かして、

より豊かで多様な歌唱表現が可能であることが分かりました。





鏡音リン・レンはそのクセの強さを克服することで、独自の魅力を発揮しています。

多様な表現が可能な一方で、その特性ゆえに手間がかかるため、中~上級者向けと言えます。


レンの歌声は女性が少年声を作って収録したものを元にしているため、一部の音声に不安定な部分があることも事実です。

 

鏡音レンのクセの強さも、上手に活かすことで、非常に人間らしい歌い方を実現できます。

 




開発元のクリプトン・フューチャー・メディア株式会社は、鏡音リン・レンの再構築作業を進め、2008年7月18日に鏡音リン・レンACT2を発売しました。

ACT2では、声の音素データのライブラリが見直され、音質、音量バランス、パラメーターなどが調整されました。


この改良により、ノイズや声のつなぎ目に起因するうねりが軽減され、歌声の安定感がACT1と比べて向上しました。

ただし、滑舌の向上を優先した結果、一部の評価では音質が劣化したと指摘されており、ACT1の音質を懐かしむ声も多くありました。





また、2010年12月27日に発売された鏡音リン・レンAppendでは、更なる表現力を追加しました。


レンのライブラリには、ACT1・ACT2の声質を基にした"power"に加えて、「ひんやりとした哀愁を漂わせるやわらかな発音」の"cold"、

そして「儚くも情感に溢れた、淋しくシリアスに響くウィスパーボイス」の"serious"の3つが含まれています。


これらのライブラリは、滑舌や中低音の安定性などが大幅に向上しています。

 

 

 


さらに、2015年12月24日には「鏡音リン・レン V4X」が発売されました。

これはクリプトン・フューチャーメディア株式会社が提供する、VOCALOID4ライブラリです。


元々はVOCALOID3エンジンでのリリースが計画されていましたが、最終的にV4エンジンでのリリースが実現しました。

 

 

 


このV4X版鏡音リン・レンには、日本語の主要なライブラリが収録されています。

これは2007年のAct.1をリファインしたものであり、Appendをベースにしたライブラリも含まれています。

さらに、今回は英語ライブラリも新たに作成されました。

 


 


V4Xの声の収録については、下田麻美がTwitterで「ものすごい収録量」とコメントし、公式サイトでは彼女の声を徹底的に解析したと説明されています。

この収録作業には約2年の時間がかかったとされています。

 

 

 


V4X版の鏡音リン・レンには、計6種類のライブラリが収録されています。

公式サイトによれば、各ライブラリの特徴は以下の通りです。


鏡音リン

power:可愛らしく激しい少女の声。

warm:温かさやぬくもりを感じる優しい声。

sweet:吐息が感じられる発声で、甘酸っぱいウィスパーボイス。


鏡音レン

power:純真で凛々しい少年声。

cold:クールで落ち着いた柔らかな少年声。

serious:どこか寂しげな雰囲気を持つウィスパーボイス。


これらの異なるライブラリは、鏡音リン・レンの声をさまざまな表情や感情に合わせて活用できるように提供されています。