変遷する三手先 | virt_flyのブログ

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↑右側の二つは側面の三手先。左側は4隅の三手先。それぞれ右が唐招提寺金堂、左が薬師寺東塔を想定した3Dモデル。

 

興味尽きぬ唐招提寺

 

 一応薬師寺は完成ということにさせもらって、次につくるのは、やはり隣の唐招提寺はいかがでしょう。。東院堂や玄奘三蔵院伽藍などを残したまま、もうお隣さんというのも変ですが。

 官立の大寺ではなく鑑真和上の私寺であり、薬師寺の金堂とはまた異なる寄棟造の大屋根と吹き放しのエンタシスの柱が醸す独特で荘厳な雰囲気の金堂、平城宮の東朝集殿を移築、改造したという講堂や僧房を改造した礼堂、鼓楼などが樹木に囲まれしっとりとたたずみ、加えて校倉造の経蔵、宝蔵があるなど、興味の尽きぬ寺院です。

 立面図は金堂と講堂の、いずれも正面図だけしかみつかりません。金堂の高さもようやく15.66mであることはわかりましたが、講堂含め他はわかりません。平面図の大きさから推し測るしかなさそうです(注参照)。

 金堂の柱の間隔が徐々に変化しているなどの点は、立面図に忠実にモデリング作業を行えば、大きく間違うことはないでしょうが、軒下の組物が同じ「三手先」でも、薬師寺の建物とはまた異なっている点は、わかる人にはわかるでしょうから、注意が必要です。

 上の画像は、右端が唐招提寺金堂の三手先、その隣が薬師寺東塔の三手先を模して作成した3Dオブジェクトです。似ていますが、唐招提寺金堂の方は、肘木(W字に似た木型)がひとつ増えています。これが屋根の4隅ではどんな組み合わせになるのかが問題です。2方向の三手先が直角に交わり、さらに45°方向にも伸びていくため、薬師寺の東塔はまだしも唐招提寺金堂の三手先ともなると、組物が密でぶつかり合いが必至です。

 あれこれ写真を探し出して眺めて見ましたが、よくわかりません。どうも唐招提寺の三手先は、ひとつ増えた肘木が横に伸び、同じく直角方向の三手先から伸びてきた肘木と交叉したところで、45°方向に伸びた三手先の肘木に代わってこれを支えているかに思えてなりません。
 
 画像の左端は、薬師寺東塔の角部分の三手先。その右隣が推測した唐招提寺金堂の角部分の三手先です。大きくははずれていないと思うのですが…。

注)写真から立面図をおこす方法を学ぶ必要について先ごろふれたことがありますが、そうしたソフトが存在するようです。「写真測量ソフト」(OS:Windows)という無料のものがよさそうに思えますが、まだ試せていません。