
三式戦闘機 川崎 キ-61 飛燕
FlightGearに三式戦闘機「飛燕」が登場しました。Emmanuel BARANGERさんのKawasaki Ki-61 Hien "Tony"です。Helijah Hangarより手に入れることができます。
PlayDebを通じて得たFlightGear3.0.0(Ubuntu13.10上)では起動しますが、通常のソフトウェアセンターから得たFlightGear3.0.0(Ubuntu14.04上)では、なぜかこの飛燕を起動することができませんでした。
うまく起動できても、この飛燕はかなり離陸に手こずります。そのフォルムは、旧日本軍機では数少ない液(水)冷式エンジンを備えるものだけに、欧州機を思わせるスタイルをしています。このため、連合軍からはイタリアのMacchi M.C.202のコピーと誤認されていたようですが、確かに外観はそっくり。
欧州機は、相対的にプロペラの位置が高いのでしょう、機首上部が比較的直線的な印象があるのですが、水冷式の日本軍機は、共通してプロペラの位置が少し低く、コクピット前方が徐々に下がるのが特徴のように感じます。この点とラジエーターが機体下部後方にある点でM.C.202と見間違ってもいたしかたありません。

飛燕は、B29を迎え撃つためになんとか高高度までよじのぼることができ、速度も日本機の中では速い方であり、また零戦とは違って頑丈な機体は急降下に耐えて降下して逃げる敵機を追うこともできて、日本にもようやく世界標準に迫る機体の登場かと思われます。実際に生産数も多くて本土防衛にも奮闘した機体でした。スマートなルックスも良さげに思えるのですが、さほど人気がなく見受けられるのはどういうことでしょう。
米軍パイロットからは組しやすいとみられ、欧州戦線では活躍のできなかったP-38に餌食にされるようでは、いたしかたないのかもしれません。運動能力で従来の日本機より劣り、上昇力にも弱さがあって、格闘戦が苦手となれば、貧弱な無線機のため仲間との連携などとりようのない日本機など、格闘戦に持ち込んでなぶり殺し状態だったのかもしれませんね、その上、自動車もさわったことのない日本人には、液冷エンジンの整備などまともにできず、稼働率の低かったことも、飛燕の評価を下げることになったのでしょう。
平凡な機体でありながら神話のごとく語られる零戦とくらべると、悲運としか言いようがありません。