あんまり変わってないね(レ・ミゼラブル)来年のレ・ミゼラブルのキャストが発表されてますね!…あんまり変わってないね。岸さんがジャベールというのに「おっ」てなったくらいです。しかし大阪公演も次は梅芸に来てくれるというので、前回見逃した昆ちゃんのエポニーヌとか和音さんのファンテーヌとかを楽しみにしておきたいと思います。あと、今度は必ずや笹本さんが大阪に来てくれることを願っております!
スタジオライフ トーマの心臓久々の観劇日記と相なりました。日記をさぼっていたこの半年間の活動については面倒なので恒例の年末まとめでやります。早速本題です。萩尾望都さんの作品の中で、このトーマの心臓は最も好きな作品の一つです。しかし、よもやまさか舞台化されていようなどとは思ってもみず、今回の公演を知ったときにはとても驚きました。しかも初演が'96年というから、結構長い間上演されてきたんですね…。さらにお恥ずかしながら、劇団スタジオライフさんの存在も全く知りませんでした。そんなわけで、今回はいつものこなれたミュージカルの観劇じゃなくって、完全なおのぼりさん状態で緊張しながら行ってまいりました。いつもの梅芸ではあるんですが、メインホールじゃなくって、あんまり踏み込んだことのないドラマシティの方だったので更に緊張。それにしてもトーマの心臓を生身の人間が演じるということが信じられず。公演の告知を見たときに、行くかどうかすごく悩んで、本当は最初、行かないという決断を下していました。トーマの心臓に限らず、萩尾さんの作品の一番の魅力は言葉だと思います。台詞やちょっとした言い回しやモノローグや詩。あの美しく印象的な言葉たちを、生身の人間が喋るってどうよ!?って思うでしょ普通。しかも13~15歳くらいの男の子の役を、少女漫画の少年口調で、大人の男性が演じるわけですから、絶対違和感があるに違いない!と。それと同時に、なぜトーマをわざわざお芝居でやるんだろう?と不思議に感じました。結局、チケットが発売されてからしばらく経って、「やっぱり行っとこう」という気になったので、勇気を出して行ってきた次第です。緊張しながらドラマシティに踏み込んだ私ですが、ロビーでは役者さんがお出迎え&物販のお手渡しをしていらして、なんだかとってもあったかい雰囲気。シュロッターベッツ購買部こと物販コーナーではマグカップとかブックマーカーとかオリジナルグッズを販売してまして、マグカップ収集癖のある私は迷わずマグカップを購入。うっかりトートバッグまで買ってしまったため、同時に買ったパンフレットと袋に入り切らず、なんか格好いいおにーさんが(←スタジオライフの役者さんを全く知らないので誰かわからない)「入り切らないので2つに分けてみましたっ!」と言って渡してくれたのが妙に和みました。マグカップの箱大きいもんね。適度に緊張もほぐれていい気分。で、客席では開演前から鳴っていたアヴェ・マリアのボリュームが本格的に上がって開演です。舞台の上は中央中段に陸橋と、それとひと続きになって学校の階段と図書室が上手に、中央から下手にかけてヨハネ館の2人部屋という配置。場面によってはベッドが消えてシモン館やヤコブ館や礼拝堂や校長室や駅やユーリの実家に化けたりします。陸橋の背景部分がスクリーンになっていて、手紙やモノローグや日付・時間が字幕で出るんですが、この字幕が大変読みづらかった。私はとりあえず前から10列目以内にはいたんですが、視力のせいかぼんやりとしか読めませんでした(涙)。原作のフレーズを覚えている部分は、記憶と文字のシルエットが一致すればなんとなく判るという程度。視力のせいかもしんないけど…。ちょっともったいない。シナリオはもちろん上演用に短くまとめられていましたが、きわめて原作通りで、男の子たちのあの独特な少年口調もきわめて原文通りでした(!)。そして、生身の人間が演じるトーマの心臓、全く違和感なし。驚くほど違和感なし。あの台詞を生で人間が喋っても違和感がないってすごくない!?同室の同級生たちはキャワキャワしてて可愛くって(変な擬態語ですいません)、お茶会の上級生たちは意思疎通不可能な南国の鳥みたいなエキセントリックさで、大人たちは沁み入るような静かな味わい深さを醸しています。役者さんてすごい!!そんなわけで、テーマに関する考察はそっちのけで、以下キャストの感想をざっと書きます。ユリスモール役の松本慎也さんは、とにかく見ているこっちまで苦しくなってくるような熱演でした。息が詰まる程の完璧な佇まい。細い糸を張りつめたようなギリギリ感。エーリクに示す神経質で過敏な態度と、他の生徒に対する柔らかい物腰とのアンバランス。なぜそんなに苦しむのだろう、なにがそんなに痛いのだろうと、オスカーやエーリクでなくても肩を揺さぶって問いただしたくなります。松本さんはビジュアル的にとても線の細い印象があって、ユーリの不安定さ、危うさが強調されて感じられました。私の大好きなオスカー役は、仲原裕之さん。原作のイメージとは少し違うんですけど、明るくて軽やかで、いつもちょっと語尾が上がって弾むような、でもどこか相手を安心させるような話し方がとても印象的。余裕ありそうな物腰と直情的な勢いのよさが同居しています。階段を上がるときも勢いよく駆け上がって行く。柱に寄っかかって煙草を吸ったり、片足を投げ出して腰掛けてるポーズとか、ささいな仕草がなんとも格好よくて悶えました。…そして彼は、物販コーナーでがんばって商品を袋に詰めてくれた、あのおにーさんだった。もっとしっかり網膜に焼き付けておけばよかった!エーリク役、この日はKabinettチームで本来なら田中俊裕さんの予定だったのですが、急病とのことで久保優二さんが演じておられました。パッと見、松本さんのユーリよりも上背があるので「?」と思ったのですが、見てるとだんだん慣れてきます。子供っぽくて感情的でカッとなったらすぐに反応する、その分どこまでも純粋で裏がなくてストレート。そんなエーリクのピュアなひたむきさがひしひしと伝わってきました。特に2幕。あと、久保さんの透明感のある少年っぽい声がすごく好きでした!そして私が危うく魂持ってかれそうになったのは、サイフリート。青木隆敏さん。彼の出番って2回しかないんですが、なんというインパクト。ベタッとした独特の喋り方と、ロングヘアの直毛っぷりが特徴です。原作を読んだときは、面白いキャラクターとは思っても、私は割と他人事にユーリがサイフリートに羽を毟られる様を見てたんですが、今回は危うく私も連れて行かれるところでした。ホンマに悪魔的な魅力です。彼に膝を屈することにすら快楽を覚えかねない。堕ちてもよいと思わされる。最後のシーンの演出も面白かったなー。あとアンテが、原作ではそんなに好きなキャラクターじゃなかったんですが、なんかすごく愛しいと思ってしまった。男の子たちだけじゃなくて、大人たちもよかったです。ミュラー校長やシド・シュヴァルツやヴェルナー氏。むしろ大人たちに泣かされました。シュヴァルツとエーリクのシーンでは不覚にもグスグスしちゃった。わざわざ舞台でやる意味はなんぞや?と思っていた私ですが、男の子たちも大人たちも、人が演じることで個性が際立って、息が通って、とにかくリアルに感情が伝わってきて、すごく納得させられましたし、感動させられました。本を読むのは所詮一人旅。自分だけの解釈で読みますから、自分が共感できるところには感情移入しますし、それ以外のところはサラッと流れて行きます。でも舞台って演出家や役者、自分以外の人の解釈を通して見ることになって、思ってもみなかった視点や感覚を味わえたり、自分一人ではできなかった発見ができる。実にそういう体験をさせてくれた舞台だったので、思い切って見に行って本当によかったな~と思いました。そして再演されればまた見に行くのだろうな~。短いけど以上。…最近日記を一本書き切る集中力がなくっていかん。◆ ◆ ◆スタジオライフ トーマの心臓梅田芸術劇場 シアタードラマシティ 7/11(金)18:00開演演出:倉田淳CASTユリスモール:松本慎也エーリク:久保優二オスカー:仲原裕之レドヴィ:関戸博一アンテ:宇佐見輝バッカス:原田洋二郎サイフリート:青木隆敏ミュラー校長:曽世海司シュヴァルツ:楢原秀佳ヴェルナー氏:山﨑康一ヴェルナー夫人:石飛幸治