佐藤健×石原さとみ ロミオ&ジュリエット | Virgoノート

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佐藤健主演 ロミオ&ジュリエットを観てきました!
あんまりストリートプレイ系には興味なかったのですが、演目がロミジュリだったので行くことに。
チケット取ったのがかなり遅くなってからだったので良い席がなく、2Fの後ろの方での観劇となりました。
まーBRAVA!は割と小さいシアターなので、2F席でも結構舞台に近いんですよね。
開場まで時間があったので近くのカフェでお茶してたら、隣りに来たおねーさん2人がちょうどマチネ観劇後だったらしく、「もう1回みたい!!」って盛り上がってはりましたw

以下、ネタバレで感想です。

まず一言、言わせてください。
石原さとみちゃんめっちゃかわいい!!
私、石原さとみと長澤まさみの区別が付かないくらい彼女らに興味なかったんですが、今日見た生さとみちゃんはほんとにかわいかったです~。髪の毛ツヤッツヤ。
ジュリエットはナチュラルで天真爛漫な少女らしい少女なんだけど、聡明で現実感覚があり、地に足がついてる。とても素敵なジュリエット。声と話し方が悶えるくらいかわいかった。
一方、佐藤さんのロミオはちょっとクールでニヒルでメランコリックなロミオでした。
かなり大人な印象。ハムレット的なイメージかな。
でもジュリエットと二人のシーンはちゃんとおバカっぽさ(←自分的にロミオに必要な成分)全開で、普段のロミオとのギャップが、それはそれで面白かった。

演出として、衣装やセットのデザインは現代風ですが、かなり原作に忠実に作られてました。
客席にどっと笑いがわくほどコミカルに、あと下ネタ全開に、そして最後はすすり泣きが漏れるほど抒情的に、悲劇的に。この対比は本当にロミジュリという演目の持ち味ですよね。
台本も、どういう台本になるんだろ思ってたんですが、こちらもほんとに原作に忠実に、シェークスピアの言葉の魅力を損なわず日本語でわかりやすく作られていました。
意訳というよりは超訳かな?
文化の違いや、原作が書かれた時代との違いから「んっ?」と違和感を覚えるようなところを、現代日本で通じる感覚に置き換えた上で、言葉遊びを入れてるって感じですね。

各場、印象に残ったこと。

冒頭は口上から始まります。全員が舞台に出てくる。
モンタギューの郎党とキャピュレットの郎党が諍いを起こすシーンは背景にババンと龍虎図。
ティボルトがトラ柄のシャツを着てたので、キャピュレットが虎か?と思いきや、キャピュレット郎党は龍が描かれている上手からの登場・退場が多いんだよね。どっちでもいいけど。
賀来さんのティボルトは立ち方が独特で、雰囲気があって、舞台に出てくるとついそっちを見てしまう。ギラギラしていて、抜き身の刃物のよう。
逆にベンヴォーリオは、舞台にいてもモブと紛れて気付かないくらい普通の人(←けなしてないよ)。衣装の色調も地味なので、舞台上で毎回捜さないと見つからない。そんな尾上さんのベンヴォーリオ、密かにキレやすいという原作設定が生きており、冒頭シーンで仲裁にかかってるところをティボルトに挑発され、振り返って向かって行く一連の流れがかっこいい!!調子よくって友達思いで地味にキレやすくって、普通に遊んで普通にケンカして普通に苦悩して…そんな感じの等身大ベン。

キャピュレット家のパーティー前の場では、キャピュレットの面々が登場します。
石野さんのキャピュレット夫人は普通の母って感じです。個人的にはもっと女を全面に出した感じの方が好きかも。ただ、キャピュレット夫人の衣装はどれもすごくよかった。石野さんスタイルめっちゃいいですね。一番のお気に入りはラストの墓所での衣装。一見して真っ黒な喪服なんですが、肘くらいまできつくスリットの入った袖口からチラチラ覗く裏地が真紅!!やられた!!
そしてこの舞台で最も素晴らしかったのがキムラさんのばあやでしょ!!どんだけ笑わすねん!!もー、ばあやがそこにいるだけで面白い。この人、単に笑わすだけじゃなくて、ジュリエットの乳母という役割としてだけじゃなく、なんかこの人にはこの人の個人名があって、その人生をきっちり生きてきて今ここにいるっている重みを感じます。
キャピュレット卿が招待客のリストをピーターに渡して、渡されたピーターがリストを読もうと四苦八苦するシーンで、なぜかピーターの独壇場に。なぜか舞台と客席の心が一つになって、「がんばってー」のかけ声かかるわ手拍子わくわ、ピーター役玉置さん、ノリノリ。ここ、毎回こうなんですか?

パーティーに潜り込もうとするモンタギューっ子たち。
菅田さんのマキューシオは、髪の毛染め上げてヤクザばりの刺青いれて派手な服着て、見た目はすっごい怖い不良っぽいんですが、荒々しさや刺々しさはなくて、どこかフワフワした変わり者の一人っ子って感じがしました。いつもいるわけじゃないんだけど、気が付いたら仲間にフラッとまざってて、一番熱心に遊んで、気が付いたらフラッとどっか行っちゃってたみたいな。マブの女王は、マキュファンとしてはやや印象薄。

パーティーシーンでは、多和田さんが歌ってるステージでちらちらと炎が燃えてます(←本物)。お開きの場面でキャピュレット卿長谷川さんが「ファイヤー!」って叫んでた。「2階席にもファイヤー!」って。
このカンパニー、舞台でよく火を焚きます。2幕のマンチュアのシーンでも火を焚いてました。

バルコニーのシーンは最も印象的なセット。舞台上部、左右に渡したブリッジをバルコニーに見立てて、そのさらに上層から満開に花をつけた枝が枝垂れかかっています。
この花は、ひばりのシーンでも2人の天蓋の上にあって、最後に、死を迎えた2人の上に降り注ぎます。
咲く花の美しさに心奪われるとき、散る花の儚さを同時に思う。私たちのこの独特の感覚とロミオとジュリエットの物語がシンクロして、2人の恋とともに、桜の花を見たときのあのたまらない気持ちが胸に沁みてくるんです。ホロリ。

神父登場。おなじみ橋本さとしさん。意外なキャスティングです。なんせロレンス神父にしちゃ若いしオットコマエだし!でもやはり、橋本さんが舞台にいると、舞台が舞台らしく見えるんだよね。好きな役者さんです。
橋本さんのロレンスは、思慮深そうで理知的な物腰を醸し出しつつ、迷う表情や悔やむ表情や、人としての弱さを見せてくれる。乳母同様、聖職者ロレンスではなく、なんらかの人生を生きてきて、これからも生きて行くであろうロレンスなんだよね。それを最も強く感るのはラストのシーンなんだけど。

決闘シーン。文句なくロミジュリ的山場の一つです。
マキューシオとティボルトがナイフを交錯させるとき、アクション映画とかでよくやる一瞬スローモーションな演出が入ります。もちろんフィルムじゃないんで、役者さんが自分でスローモーションします。
…バリうま。
そして個人的に鳥肌立ったのが、マキューシオ殺した後、戻ってきてロミオと闘うティボルト!!
闘いながらずっと笑っていた。狂気を滾らせていた。
壮絶だった。
それでさぁ、血糊、血糊使うんだよこの人たち!
流血するんだよ!怖いんだよ!…特に最後のジュリエット自害のインパクトは強烈。

場面は飛んで、ジュリエットがパリスとの結婚を言い渡されるシーン。
キャピュレット卿、怒っているのはわかるが、酔っ払いかってくらい呂律回ってなくて、何を怒鳴っているのかわからない。でもこんな剣幕で父に怒鳴られたら、娘はトラウマになると思います。
すがりつくジュリエットに、パリスと結婚するのが幸せと諭すばあや。
ジュリエットの心がすっと離れて、立ち去るばあやの背中に「ばち当たりな老いぼれ!」というジュリエットの独白が届き…ばあやがハッと足を止めます。再び歩き出したばあやは、涙をこらえるように両腕で顔を覆っていて…。ヨヨと泣いてるんじゃなくて、グッとこらえる仕草なんですこれが!!ばあやー(泣)!!全編を通して私の涙腺が唯一ダメージを受けたシーンでした。

直後ジュリエットが神父のところへ行くシーン。
パリスはバレエ版パリスさながらの完璧な貴公子の物腰。ただしこのシーンのパリスは違います。
まず、なんか嫌な雰囲気を出しているのが、ジュリエットの髪に触ったり頭を撫でたりすること。
そしてぶったまげたことに、ジュリエットと2人にしてほしいと言う神父に対して、姜さんのパリスは怒るんですよね、あからさまに!かつてここで怒ったパリスがいただろうか。従来のパリスは、紳士な態度でスマートに(あるいはKYなかんじに)去って行くんですよね。このパリスは、ジュリエットが自分を愛するのは当然だと思っていて、ジュリエットのいるところに自分が同席するのは当然だと思っている。非常に傲慢なんだけど、それが傲慢とも思っていないので、それを普通に態度に出すという。
すごいパリス。
パリスにキスされたジュリエット、めっちゃ嫌そうな顔してます。

服毒のシーンでは、ジュリエットとマンチュアにいるロミオの時間軸がクロスオーバーします。
場面転換の際の2人のクロスオーバーは何度かあったんですが、ここではジュリエットの時間軸をベースに、『ロミオはいま』みたいなのがうっすらかぶって見えるイメージかなあ。
あと、ジュリエットの妄想シーンでは、ティボルトとマキューシオの亡霊が登場し、ジュリエットを翻弄します。この亡霊の演出は、バレエのプロコフィエフ作曲ヌレエフ振付版とそっくり!思わずニヤリとしてしまった。ほんとにそっくりなんですよ。
ちなみにヌレエフ振付版の別のシーンでは、一瞬死のダンサーみたいなものも出てきたりします(笑)。

ところ変わってマンチュアのロミオ。先ほどジュリエットとクロスオーバーした同じシーンから始まります。
ロミオにジュリエットの死を伝えるのは、このバージョンではベンヴォーリオ。「どうやって伝えよう~♪」のとこね。
ロミオに死を伝えるのは、作品によってベンヴォーリオかバルサザーかで2分されてますよね。
ジュリエットの死を知らされたロミオは怖いくらい冷静で、騒がない、取り乱さない、嘆かない。
それが逆にとても怖かった。

ラストシーンは、ロミオが死んだ後早々に神父が登場します。
映画にしろバレエにしろミュージカルにしろ、ロミジュリ水入らずで死ぬ作品が多いと思うんですが、この演出ではきっちり神父が先に来ました。
あと、「おっ?」と思ったのは、ジュリエットの頭と足が通常と逆だったこと。頭:手前、足:奥だった。だからどうってこともないんですが…。
全てが終わった後、墓所に人々が集まり、自らの愚かさ、無力さ、運命の残酷さを嘆きます。
ロミオの亡骸にモンタギュー夫妻が取りすがっているのですが、ベンヴォーリオはそこへ歩み寄れずに立ちつくしていて、やがてその場に崩れ落ちるます。ここ、すごいグッときました。
各々退場時、ロレンスが警官に引っ立てられていて、この人もなんらかの償いをするのだろうかと思わされる。

カーテンコールでは、佐藤さん、さとみちゃんがいつまでも声援に応えて手を振ってくれました。2Fにもしっかり手を振ってくれるさとみちゃん、最前列のお客さまの呼びかけに丁寧に応えていた佐藤さん、とても好感が持てました。
客席は1F席総立ちでブラボーが飛んでたよ~。

以上。
総じて、期待してたよりもずっとよかった。

◆ ◆ ◆

ロミオ&ジュリエット
シアターBRAVA! 6/6(水) 19:00開演

演出:ジョナサン・マンビィ

CAST

ロミオ:佐藤健
ジュリエット:石原さとみ

ティボルト:賀来賢人
マキューシオ:菅田将暉
ベンヴォーリオ:尾上寛之

キャピュレット卿:長谷川初範
キャピュレット夫人:石野真子
乳母:キムラ緑子
ロレンス神父:橋本さとし
パリス:姜暢雄