ガキの頃、レゴをさわるのが大好きだった。
とにかく好きだった。
あれをさわるのより好きだった。
時間を忘れた。
飯を食べるのも忘れて母さんにおこられた。
でも、さわってたらたのしいからいつも持っていた。
何をつくるわけではないけれど、積み上げていくのがたのしすぎたのだ。
ガキの頃はみんなそうやってレゴを積み上げていたんだと思う。
大人になるにつれ、こころの内側に自分というレゴをかたちづくりはじめる。
はやいヤツもいれば、おそいひともいる。
きっと本田圭佑選手みたいなひとははやかっただろう。
いろんないろのレゴもあるだろう。
いろんなかたちのレゴに積み上げていくのだろう。
誰にもみせないかたちで積み上げていったりもするのだろう。
時にまっくろいレゴに染め上げることもあるのだろう。
時にささくれだった、とげとげしいかたちにそびえたつ時もあるのだろう。
時に目の前がまっくらになるような突風にレゴがくずれてしまう時もあるのだろう。
誰かがしってる積み上げたかたちなら、心配した誰かが声をかけてくれるのだろう。
でも、誰にもみせないレゴがくずれた時、誰もそれにはきづきやしない。
くずれたレゴを隠して、キミは必死に誰かに笑顔をみせるだろう。
レゴを夢中で積み上げたあの頃を忘れて誰かにわらってみせるのだろう。
おとなの夜はながい。
レゴを積み上げる指先がささくれだっている。
誰にもみせてないから、レゴをかたづけようとしていたみに声を発する。
そんな夜、オレたちは音楽をきく。
ガキの頃、アニソンしかしらなかったオレたちはロックを浴びる。
夜は街がまたたくほどの稲妻で埋め尽くされる。
気がつけばくずれさったレゴは前のかたちで積み上がってるじゃないか。
ケチなサダメ。
レゴがぐらぐらしている時。
ダメな色に染まっている時。
ささくれだったかたちにそびえたっている時。
サンボマスターとキミ。
このアルバムがまるで七人のこびとがごとく、レゴを勝手に積み直してくれる。
ガキの頃はレゴに夢中だった。
母さんにおこられるほど夢中だった。
今はおこられやしないけれど、おなじぐらい夢中なものがある。
誰にもみせないレゴのかたちは、とてもキミの大事な宝物。
すてきな音楽を聴いているオレのレゴは何色だろう。
