「nhkスペシャル・人体」の中で、

生命学者でご自身も難病を患っている柳澤桂子さんが、

『遺伝子の多様性』について語っています。



できたら全編見て欲しいですが、

せめて42分頃から研究者たちの声に耳を傾けてみてください。

大阪大学で行われた、強いものと弱いものが共存する遺伝子の実験に始まり、

続いて柳澤桂子さんが登場します。

科学者らしい見識で、世界を大きく捉えています。



「全人類の遺伝子プールを考えたとき、

その中で突然変異を起こして多様化することが、

地球の環境に適応するということである。

多様化するときには病気も出る。

個人にとっては病気という悪い遺伝子であっても、

社会にとって悪い遺伝子はない。個人の問題ではない。

悪い遺伝子という考えがあるのであれば、悪いのは社会であって、

遺伝子はある頻度で突然変異をを生み出すものである。

社会としては何パーセントかのハンディキャップを持った者を受け入れることが大切である。

ハンディキャップを持って生まれた人がいれば、

自分の代わりに受け取ってくれたのだと思って、

社会で尽くさなくてはいけない。」



この地球を大きな実験場だと思えば、

この星に生まれた私たち人類を含めた生命は、

突然変異を繰り返しながら多様であり続けることによって、

生命が保たれる可能性を探っているのです。

強いものだけでなく、多様であってこそ生命は保たれるのです。

つまりハンディキャップを持った人は他人ではなく、

自分の分身でもあるのです。




強いもの、弱いもの、と言うと語弊があるけれど、

生命というものは多様性を持ってその先の道を模索していくものなのです。

多様であってこそ生命は保たれるのです。

自分と違うあなたは、つまり自分の分身でもあるのです。

 

それを鑑みた上で、人が謙虚であること、そのことの大切さを、えぐるほどに深く感じます。