闇の中に孤独に光るひとつの点。これは、ボイジャーが写した『地球』です。
http://photojournal.jpl.nasa.gov/jpegMod/PIA00452_modest.jpg [ボイジャーが写した地球]
カールセーガンの言葉がとても佳いなと思ったので抜粋します。
「この距離から見る地球には、特に興味を覚えないかもしれない。
けれど我々の目には違って見えるはずだ。
もう一度この“点”について考えてみて欲しい。ここだ。
あれが故郷だ。
あれが私たちだ。
ここにすべての人が住んでいる。
愛する人も、知人も、友達も、いままでに存在したすべての人が、みなここで人生を送っている。
喜びも悲しみも、自信たっぷりの幾多の宗教も政治思想も、
経済主義も、すべての狩人も、牧人も、英雄も、卑怯者も、文明の創設者も、破壊者も、
すべての王様も、農民も、愛し合う夫婦も、すべての父と母、希望にみちた子供、発明家、そして探検家、
道徳を教える先生も、腐敗した政治家も、
スーパースターも、偉大な指導者も、
すべての聖者も、罪人も、人類の歴史上すべての人が、ここに住んでいる。」
(中略)
地球は、壮大な宇宙のアリーナの中の、小さな舞台だ。
このわずかな“点”の瞬きの支配者となった、全ての将軍や皇帝の勝利と栄光の影で、
流れ出たおびただしい血の量を考えてみて欲しい。
この1ピクセルの“角”に存在する住民が、
まるで見分けのつかぬ別の角に存在する住民に対する、
その終わりなき残虐行為を考えてみて欲しい。
なぜゆえに人類は頻繁に誤解し合い、殺戮を熱望し、強烈に憎悪し合うのか。
私たちのおごりが、私たちのうぬぼれが、
宇宙で特権のある地位にいるというその錯覚が、この色褪せた光に試されている。
この惑星は、大きく暗い宇宙 空間の中にひっそりと存在する、
孤独な“しみ”でしかない。
こうも広大な宇宙の中でぼんやりとしていては、
人類が人類を救うきっかけは外からは来ない。
(中略)
私にはこの点が、より親切に互いを思いやり、色褪せた碧い点を守り大事にすべきだと、
そう強調しているように思えてならな い。
それがたった一つ。我々の知る、ふるさとなのだから。」
——カール・セーガン