3/7まで銀座かわうそ画廊で『卒業展』が開催されています。
6点すべてが少女たちを描いた『撫子シリーズ』で、
今回は、にじまない紙を使って、ほぼ同じ技法で描かれています。
一見、流行りの鉛筆画のように思われるようですが、
すべて墨を含んだ筆で描かれたものです。
まつ毛や眉毛の部分など非常に繊細な部分も、墨をたっぷり含ませた筆で描いています。
鳳香は穂先の短い面相筆を使いません。
目元や髪の毛など、墨の付け足しをせずに、かすれることなく一気に書き上げたいので、
穂先が30~35mmほどの長めの、かな用の筆や、牛耳毛の筆を使います。
水墨画家も多くいて、最近は人物を描く方も増えていますが、
もしかするとこの手の技術は、なかなかできる人がいないのかもしれません。
続けて3/8から『エレガンス魅惑のまなざし展』が同じ画廊で開催されます。
こちらは実験的試みとして
同じモチーフを使って、2種類の和紙とそれぞれに合った技法で作品を仕上げてみました。
麻紙を使ったものは墨の滲み、和紙の多様性、薄墨の美しさが表現されていると思います。
にじまない紙は、俵屋宗達に代表される琳派のたらし込み技法も特徴ですが、
重ね塗りができるため、鉛筆画のような雰囲気も感じられると思います。
同じモチーフのはずなのに、全く違う雰囲気の作品に仕上がっています。
どうぞ『卒業展』と『魅惑のまなざし展』
日本古来の技法も合わせて、お楽しみください。
【卒業展】
会期:3/3(土)~3/7(水)12:30~19:00(最終日は16:00まで)
会場:銀座かわうそ画廊
★オープニングパーティは3/3(土)午後5時より
【エレガンス 魅惑のまなざし展】
会期:3/8(木)~3/13(火)12:30~19:00(最終日は16:00まで)
会場:銀座かわうそ画廊
(京橋駅・東京スクエアガーデン真向かい、銀座一丁目駅3分、有楽町駅8分)
#樋口鳳香・墨美神展 #水墨美人画 #なでしこシリーズ #卒業展 #エレガンス魅惑のまなざし展