水墨画の白い部分は紙の生の白です。

鳳香の墨美神(スミビシン)の目元、口元の白い部分の技法をよく聞かれますが、

紙の白。明るい部分は抜いて書いてあります。

墨が滲んでつぶれれば黒くなるので、失敗は許されないとも考えられますが、

墨のなりゆきで、つど対策を練りながら、表情や構図を変えていきます。

水墨画は、墨の自由な動きに任せて、

つど絵を構成していくるダイナミックな絵画とも言えます。




絵を描く場合、ほとんどの作家がその画面を自分の世界で構成しようとする力、

画面を牛耳ろうとする力が生まれます。

そのため、ぐったり疲れてしまうような展覧会を振り返ると、

ひとつひとつの作品の主張が強すぎて、

結界を多く生んでいることが原因のひとつにあるように感じます。



その点、水墨画は、水を含ませた墨の動きのなりゆきに任せて構成していく柔軟性があり、

ほとんどの作品に空気が抜けていく余白があります。

その白の空間は、和紙の生の白で、結界を作ることを防いでいます。

何も描かない空間は、すなわち気の流れに通じ、

見ているものに呼吸をする刹那を与えることができる。

と私は信じています。






鳳香の墨美神は、水墨の抽象画のようなダイナミックさはなく

どちらかと言えば、構図を練って、画面をコントロールする力を働かせてしまう絵ですが、

空気の抜け感は常に大事に考えています。

すべての空間を支配しようとしない、

その考えは日常生活の中でも役立っているように感じます。




さて、本日(29日)【フラワーガーデン展】最終日です!

50人50色のお花たちが、皆さまのお越しをお待ち申し上げております。

 

【フラワーガーデン展】

会場:グランドニッコー東京台場3階Gallery21

会期:2017年10/20(金)~10/29(日)

   11:00~18:00

水墨、墨彩、油彩、アクリルなどオールジャンルの企画展。

花をテーマにした企画展ですが、メインモチーフとしてでなく、 作家の得意なモチーフにからめて自由に表現されています。