一昨年前、ちよだ文学賞の千代田賞を受賞してから
昔から文章を書くのは単純に好きだし
可能性の扉の隙間から少しでも光が差しているのなら
その先に見たことのない黄金の地があるなら、その景色が見たいし、
もう少し挑戦してみようとせっせと小説を書き続けていた。
いや、今も続けている。
もちろん水墨画家として、特に2017年は15か所という猛烈な勢いで続く展覧会をこなしながら
常に何点もの新作の創作に追われながら、だけど
その合間にというより、『絵』と『文章』をつなぐ橋を
常に真新しいお土産を持って行き来しながら、創作を続けてきた。
というのは、
小説家の先生の言葉の中に、絵の発想につながる気づきやひらめきがあったり、
文章を書いて迷った時、画家の創作や技術に関わるひとつの言葉で道が拓いたりするからだ。
この橋は、たくさんの人が渡れる橋ではないのは知っていて、
でもそれができるからといって、
橋のこちら側と向こう岸、どちらかで抜きんでることができるわけでもないし、
どちらの世界も全うすることができない可能性の方が高いけれど、
共通する橋を知っていて、
そこを行き来する術を少しだけ持っているのは幸せなことだと
感じながら、続けてきた。
続けているうちに自分にしか表現できないものが少しだけ見えてきて、
自分の心地よい幅も見えてきて、
もちろん不足している部分は膨大すぎて目を閉じたくなるけれど、
許されるならもう暫く挑戦を続けていきたいと思うようになった。
今年の森三郎童話賞の佳作入賞の知らせに
そう調子はずれの歌を歌ってはいなかったのだと改めて安心したし、
白い紙に向かう時のように、書きたい物語のモチーフも次々に浮かんでいるので、
あちら側とこちら側の2つの表現の異なる世界を行き来しながら
楽しみながら、深めながら、時に苦しみながら過ごしてみようと思っている。
欲を言えば、せめてどちらかで
いつか、人並みに麵麭が食べれるくらいになってほしいなと思っている。
切実に。なのでお仕事の話、いつでもお待ちしております。
【墨美神・鳳香について~About Houca】
★水墨画家/Japanese Sumi-ink artist
・全国水墨画美術協会 無鑑査会員
・現代水墨画協会 評議員・運営委員
・墨映会会員
・関西扇面芸術協会 会員
【鳳香受賞歴Receiving a prize career/水墨画Sumi ink art】
2007年 第29回 全日本水墨画秀作展/奨励賞
2010年 第35回 全日本水墨画秀作展/準大賞
第36回 全日本水墨画秀作展/豊島賞
2011年 第37回 全日本水墨画秀作展/美術新聞社賞
第38回 全日本水墨画秀作展/美術新聞社賞
2012年 第39回 全日本水墨画秀作展/特選
第51回 現水展/新人賞
第40回 全日本水墨画秀作展/北海道新聞社賞
2013年 第41回 全日本水墨画秀作展/無鑑査推薦
第52回 現水展/入選
第42回 全日本水墨画秀作展/現代水墨画賞
2014年 第6回 京都全日本水墨画・俳画・文人画秀作展/巴人賞
第53回 現水展 秀作賞受賞
第44回 全日本水墨画秀作展/厚生労働大臣賞受賞
2015年 第54回 現水展/奨励賞
2016年 現水春季展/協会賞
関西扇面芸術展/京都市教育長賞
第55回記念 現水展 秀作賞受賞
2017年 第49回 全日本水墨画秀作展/芸術文化賞受賞
第56回現水展 佳作賞受賞
【受賞歴Receiving a prize career/文学Literature】
2015年 第10回 ちよだ文学賞/千代田賞
2017年 第5回 森三郎童話賞/佳作入賞