鳳香の墨美神は、
大体の構図を決めて1枚の和紙、または短冊などに向かいます。
短冊や寸松庵など、下絵を作らず、いきなり墨を乗せていくこともあります。
修正も、切り貼りもありません。
白い部分は紙の白。
瞳の中の光もホワイトを入れるのでなく、抜いてある地の白です。
模様に見える部分の細かな白も、描いたものでなく、抜いてある地の白です。
墨は一度入れたら消せないので、つまり墨を入れていない部分ということです。
水墨画の一枚の絵の中で、濃墨を立たせる、地の和紙の白を生かすためには、
描く順番を決めて挑みます。
それは頭の中で描く設計図のようなものです。
そして、まずは一番濃い部分から描く。
「画竜点睛」と言われますが、瞳は最初の方に書きます。
墨美神を完成させるために大切なのは、実はその殺人的まなざしよりも、
その全体の背景処理です。
今回の作品でいえば、例えば、墨流し、刷毛による滲みなどです。
それが納得いかなければ、何枚でも書く。
そのため同じような顔をした墨美神がアトリエには何枚も日の目を見ることなく眠っています。
何枚も描いた上での出展作品。
ぜひ多くの方にご覧いただけたらと思います。
しいてはそれが、鳳香の明日の創作活動の活力となります。
鳳香の年内の作品販売は、この『真夏の美女図鑑』が最後となっています。
本日(14日)は最終日。
鳳香は14:30頃より最後まで(16:00)在廊致します。
なにとぞよろしくお願いします。
京橋・銀座一丁目駅すぐ。東京スクエアガーデン目の前。
銀座かわうそ画廊
『真夏の美女図鑑』
本日7/14(金)16:00まで