以前「ロベール・ドアノーの写真と朗読でつづる自伝的試み」という講演会があり、

写真家ドアノーの作品をたくさん見てきました。

モノクロ写真の印象がつよいドアノーですが、

時代が移ってカラーの写真も登場します。

しかしカラーの写真がスクリーンに映し出された瞬間に、

それまでいっぱいにふくらんだときめきが、しゅっと萎むのを感じました。

…どうやら色は多くを語りすぎるのです。

色という与えられる情報だけで分かった気になる。

そこで思考が止まってしまうのです。

深く想像する、ということをやめてしまうのです。

水墨画の世界もそれと同じで、

墨だけの表現の中に、観る人が自由に色を感じることができます。

その思考のヴァリエーションは色で表現するより、ずっと多弁かもしれません。

作品を通して今日見えるものと、明日見えるものは、きっと違う物語だと思います。

鳳香が描いた墨美神のまなざしの先に、

あなただけの物語を感じていただけたら光栄です。
 

 

 



さて、銀座かわうそ画廊の『真夏の美女図鑑』は

今日(13日)と明日(14日)を残すばかりになりました。

鳳香は今回4点出展しております。



直しのきかない水墨画。

納得のいく仕上がりになるまで何枚も描いた上での

とっておきの1枚が出展作品となっています。

鳳香の年内の作品の販売は、この『真夏の美女図鑑』が最後となっています。

今後の鳳香の創作活動の支えになりますので、

なにとぞよろしくお願いいたします。

 

 

 


京橋・銀座一丁目駅すぐ。東京スクエアガーデン目の前。
銀座かわうそ画廊

『真夏の美女図鑑』 ~7/14(金)まで
12:30 ~ 19:00(最終日は16:00まで)