レポートがずいぶん遅くなりましたが

『第14回言葉のポトラック』は、2017.3.5に開催されました。

作家の大竹昭子さん×堀江敏幸さん。鴻池朋子さん

言葉のポトラックは、3.11直後に詩人が中心となって言葉を集めようと開催したのがはじまりです。

その後「継続してこそ意義がある。言葉の港を作りましょう」という堀江先生の言葉によって、

大竹昭子さん×堀江敏幸さんのおふたりが企画を立て、毎年その時期に開催されています。

14回目は「アートの底力」と題して、ゲストは美術家の鴻池朋子さん。

3.11直後、展示された自分の作品を眺めてよそよそしさを感じたと。

著書をもとに、アーティストの視線からお話をされました。



小器用にまとめるのは、まさに想いの言葉尻がなくなってしまうと思うので

手帳に残っている言葉の数々をそのまま連ねておきます。



・表現する時にあらわれる違和感。モヤモヤした感じ

 

・創作した後にモヤモヤした感じが残る。

 

・人間は人間を超えたものがないと元気が出ない

 

・体はそうでないと分かっているのに、技術があるためにできてしまう

 

・本を書いた後にもモヤモヤが残った

 

・パブリックアートは安全であることが重視され、 確認作業を何度も繰り返すうちに、思いの言葉尻がなくなっていく

 

・針で縫うのは境界を超えていく感覚

 

・(革にという画材に出会って)手が喜んでいる

 

・襖も同じ通り抜けて、向こうへ行く感覚

 

・言葉で表現するということは幾層ものレイヤーを重ねていく作業

 

・自分にとっては言葉も画材である

 

・四角い白い紙の上、創作の時に働く世界を牛耳ろうという力が働く ・反抗するエネルギーは依存しているので弱い

 

・インスタレーションは原始的な欲望

 

 

 


…堀江先生、大竹先生が、ポトラックの原点に戻ったようだとおっしゃってたように、

魂の中から湧き上がる言葉を鴻池さんがいくつも出してくれたように感じます。

創作するものの立場からの魂の言葉は、

空気中の水蒸気のように、目に見えない微粒子が

じわじわと蒸散されて肌に浸透していく……

そんな空間で、そんな時間でした。

 



 



作家主催のチャリティーなので、最後に本の販売もあり、

大竹さん曰く、バナナのたたき売りという感じで「全部売りきる」を目標としていて

しかし、大竹さん、堀江先生、両氏のオススメの良書ばかりなので

あっという間に捌けてゆき、

美術家らしく子ども感覚を持ち合わせている鴻池さんが、

「楽しい〜」と言い出すほどの盛り上がりでした。

写真は、そこで購入した本たち。