志村ふくみ『一色一生』を読む。

 

言葉のままに綴られているのだと思う。

 

やわらかな包むような語り口。

 

それでいて深く強い情熱と信念が底辺に流れていて、ぐいぐい引きつける。

 

植物があり、色があり、季節の移ろいとの先に人の人生が見える。

 

命のゆらぎに触れながら、彼女の生き様にゆらぎは感じられない。

 

なにかみえないものに突き動かされている、そんな強さだ。

 

 

 

「花は紅、柳は緑と言われるほど色を代表する植物の緑と花の色が染まらないということは、色即是空をそのまま物語っているようにも思われます。」

 

 

 

その後ノヴァーリスの引用があり

 

 

 

「すべてのみえるものは、みえないものにさわっている。

 

きこえるものは、きこえないものにさわっている。

 

感じられるものは、感じられないものにさわっている。

 

おそらく、考えられるものは、考えられないものにさわっているだろう。」