昨日の続きです。
大手町よみうりホールで開催された
「秋の夕べに出会う漱石」に伺ってきました。
第1部:堀江敏幸先生と中島国彦先生の対談
「初公開 漱石宛て絵はがきを/絵はがきで語る」
第2部:ブックデザイナーの祖父江慎さん
「漱石に出会う」
昨日はブックデザイナーの祖父江慎さんの装丁へのこだわり話が中心だったので、
今回は 堀江敏幸先生と中島国彦先生の対談について。
第1部は「初公開 漱石宛て絵はがきを/絵はがきで語る」ということで
10通ほどの漱石宛て絵はがきを鑑賞しながら
お二方がトークを繰り広げていくという展開でした。
9/24から「漱石—絵はがきの小宇宙」という特別展が
日本近代文学館にて開催されます。
29日には記念公演として再び中島国彦先生が登壇されるご予定のようです。
特別展では、岩波書店が所蔵している300余点のうちの150通ほどが展示されるとのことで、
今回の対談はそれに先駆けて行われたものでした。
展示するにあたって、絵はがきの送り主の確定と、
その人と漱石とのつながりなど中島先生が調査にあたられたそうです。
明治の頃、もちろん印刷技術も発達しているため
どちらかといえば既成の絵はがきに文字を書いたものを多く紹介いただいたのですが、
そのデザインはまだ洗練されてなく、野暮ったいのだけど、
白黒テレビのテロップを眺めるようなノスタルジーを感じるものでした。
(すいません。見たことないので、イメージですが…)
ただ、文章はもちろん、文字がすごくいい。
宛名面に文章を書くことが許されたのが明治39年というので
その前のものは絵を避けながらみっちり丁寧に書き込んでいるのと、
筆で書かれた文字が印象的でした。
特別展のサブタイトル(?)に
「小生は人に手紙を書く事と人から手紙をもらふ事が大すき」
とあって、それがなんとも可愛らしくて、佳いなと思ったし、
お手紙を書いてみたくなりました。
手書き文字って、強く言いたいところは大きな文字になったり、
ちょっとしたつぶやきも書いてしまったり、
泥臭さがにじみ出るのが人間らしくていいなと。
まあ、受け取る人の心の有り様によるのだろうけど、
私は泥臭いほど、その人の素に近いほど愛おしく感じられるというか。
……と、いうわけでせっせとお手紙をしたためています。
ラブレター?……さあ、どうだろう(笑
会場で購入した堀江先生の本。