「秋の夕べに出会う漱石」に伺ってきました。

 

 

20160914漱石

 

 

 

第1部:堀江敏幸先生と中島国彦先生の対談

「初公開 漱石宛て絵はがきを/絵はがきで語る」

 

 

第2部:ブックデザイナーの祖父江慎さん

「漱石に出会う」

 

 

 

よみうりホール

大手町よみうりホール。すごくきれいなビルよ。

 

 

オリンピック

オリンピック一色。トピックが掲示されています。

 

 

高跳び

ルノーラビレニ、スゴすぎる。

 

 

 

 

流れからいえば、第1部から話すべきよね。

 

でも、祖父江さんの話がキョーレツに面白すぎて

 

すべてをかっさらっていったと言っても過言でないので

 

一度、これを吐き出してから、

 

改めて、第1部の堀江敏幸先生と中島国彦先生の対談のお話をします。

 

もちろん、言わずもがな私は堀江先生を敬愛しておりますが、

 

まずは、今日のところは祖父江さんです。

 

 

 

 

あっと、ちなみに祖父江さんは私にとってアイドルのような存在です。

 

アイドル? 意味プー?

 

いいんです。とにかくこだわりがコア過ぎて、面白すぎて、すごい人なんです!

 

 

 

祖父江慎さんはブックデザイナーです。

 

ブックデザイナーとは装丁家ですね。

 

装丁家は、本や雑誌の「表紙」だけではなく、

 

「本文」をどうやって、

 

美しい形状の中に、美しい図版と美しいフォントで、

 

美しく組むことができるだろうと

 

そういう研究(?)もなさる方々です。

 

 

 

 

まず主に「吾輩ハ猫デアル」の話をする予定だったらしいですが、

 

すでに刊行されている「心」にかなりのこだわりがあるようで

 

話は行きつ戻りつ、でもどれも興味深いお話でした。

 

 

 

心1

 

 

 

まず「猫」。

 

これは春に仕事を受けて秋には発行している予定だったそうですが、

 

全11章あって、現在はある作業「セリフのすみ分け」という作業が難航していて

 

「いま、4章、、、かな」

 

とボソっと、つぶやいてました。

 

この「セリフのすみ分け」が何かというと

 

登場人物がとにかく多いので、

 

文章を見て一目瞭然にそのセリフを発している人の音を感じることができるように

 

例えばフォント(書体)をちょっとずつ変えてみたり、

 

でも全体の文字組みは美しく、どうやったら仕上げられるのだろうと

 

校閲の方々といろいろとやっているらしいです。

 

 

 

つまり、 「心」は『表記』をテーマにしていたけど、

 

「猫」は『音』をテーマにする(たぶん)のだそうです。

 

 

 

それから表紙。

 

夏目漱石といえば、とにかく装丁にこだわった人。

 

ちなみに私の敬愛する堀江敏幸先生も、

 

さりげなく、しかし、ものすごく装丁にこだわりのある方です。

 

それは今日のところは置いておいて、漱石。

 

お気に入りの装丁画家は

 

「僕の文もうまいが橋口君の絵の方がうまい様だ」

 

と漱石に言わしめた橋口五葉。

 

 

彼岸過迄

 

 

 

そして「犠牲者」で有名な津田青楓。

 

 

道草

 

 

しかしそれに飽き足らず「心」は漱石自身の装丁で岩波書店から刊行されました。

 

 

心

 

 

「こころ」の序文にこう書かれています。

 

「装幀の事は今迄専門家にばかり依頼してゐたのだが、

 

今度はふとした動機から自分で遣つて見る気になつて、

 

箱、表紙、見返し、扉及び奥附の模様及び題字、

 

朱印、検印ともに、悉く自分で考案して自分で描いた。」

 

あ、また「心」に戻っちゃった。

 

 

 

 

ちなみに千駄木の「森鴎外記念館」

 

ミニ企画展示「夏目漱石―「うつくしい本」への探求―」

http://moriogai-kinenkan.jp/

2016年7月1日(金)~2016年9月25日(日)

 

というのをやっていて、実物を見てきましたが、

 

ま〜あ、ま〜あ、豪華です。

 

金の箔押しはもちろん、エンボス加工。

 

そして、祖父江さんがなんどもリピートしていた「天金」

 

「天金」って、本の上方の小口だけに金箔をつけたものです。

 

聖書などでよく見かけることがあるそうです。

 

 

 

コンパクトなサイズといい、

 

多分持ち運びのできる「聖書」をベースに考えていたのではないかと

 

祖父江さんは分析されているそうです。

 

あの装丁。

 

当時は、ものすごく大変な工程が必要だったと思うんですよ。

 

 

 

で、祖父江さんも現在、表紙で悩んでいて、

 

できるだけ漱石が求めていた形に近いものを再現したい

 

けれどそれをやったら、羊の革は使わないとしても、

 

3冊セットで3万円になっちゃう、と。

 

コストを抑える作りにして、それでも3冊セットで1万円。

 

ああ、どうしようと……。

 

まあ、そんな話を聞きながら

 

いつ、発売されるんだろう、、、。と、遠ーくを見つめてしまいました。

 

 

 

 

長くなりそうなので、また明日にでも続きを書きます。

 

次回は「ココロ」の話までたどり着けるかな?

 

堀江先生と中島先生の対談の話もきっと、書きますので、お待ちください。

 

 

 

 

堀江回送電車1

もちろん堀江先生の本だって購入してきました。