いつ咲くかな、いつ開花宣言かな…
と、国民の心をそぞろにしていた桜が咲いた。
咲けばあっという間で、もう満開だ。
千鳥ヶ淵、靖国神社、外濠通りと、
この季節にしかない美しい光景に魂をうばわれた人で
この界隈はすっかりごった返している。
植物は夜を数えて開花させるそうだ。
昼間は雨の暗い日もあるからね。
一番ながい夜から幾日目だったのだろう。
時が満ちるといえばいいのだろうか。
芭蕉が奥の細道の冒頭『漂泊の思ひ』に
『春立てる霞の空に白河の関越えんと、
そぞろ神の物につきて心を狂はせ…』
と記したように
私もここ数日、魂の奥からわき上がってきたある思いにとらわれ、
これを機と佳い方に解釈して、進めつつある。
はてさて、この人生の小舟はどちらへ進んでいくやら。