ある知人が
共通の趣味をもつ仲間がひとり減ったことで
とたんに励みがなくなった。
と、おっしゃられた。
その気持ち、分からないでもない。
ヒトは何かに励むとき
どこかで心の拠り所を求める。
誰かに見つめられること、
誰かに声をかけてもらえること、
誰かにほめてもらえること。
そんな小さな出来事が
日々の励みになるものだ。
現水展初日の今日、東京都美術館へ出向いた。
見上げるほどの壮大な作品群。
毎回、先生方の力作にはため息がでるほどだ。
とうてい技量は届かなくとも、
同じ場所で、同じ会話を語れることが
ちっぽけな自分の励みになる。
帰り道。
上野公園のユリノキを見上げた。
この巨木は何十年もそこに居て、
流れゆく季節を見守り続けたのだろう。
拠り所など持たぬまま。
すべきことを成して長い時を過ごしてきたのだろう。
…自然は偉大だ。
それに対して、人間はちっぽけで、よわいな、と思う。
でもちっぽけでよわいからこそ、きっと愛おしいのだ。
壮大で多彩。迫力の作品群に圧倒されます。
『第52回 現水展』
〈入場無料〉
会場:東京都美術館
会期:2013.10.22(火)~10.28(月)9:30~17:30・最終日14:30迄