毎回参加している展覧会で

無鑑査の枠に入ることになった。

喜ばしいことだし、

認められたようで嬉しくもある。

が、実を言うと

賞を狙って作品に挑むのはけっこう好きだった。

なんとか上位の賞に引っかかろうと

毎回あれこれアイディアを練るのを楽しんでいたのだ。

出品のたびに自分なりにアテをつけ、結果を見ては一喜一憂する、

そんな些細なことを励みにせっせと制作に取り組んでいた。

私生活の中での無用なジャッジは嫌うくせに

その池の中で自分がどの位置に評価されるかは関心がある。

この国特有の気質の例に漏れずといったところか。



自分をジャッジする人がいない、というのは自由でいいように思える。

が、実際はその逆だ。

これからは自分で自分を判断するしかなくなるので、

決定のすべては自分自身にかかってくるのだ。

つまり、これまで以上に自分との戦いを強いられる、

ということだ。



人の目を気にすれば、自分の置かれた位置に遠慮して

無難な作品にまとめてしまうだろう。

しかし、賞を気にしなくていいのならそれを好機ととって

いいチャレンジをしていこうと思う。

さあ。

巳年は粘りづよく己と戦っていこう。