わけあって年の瀬に龍を描いた。

来年は巳なので、年賀状ではない。

ひとつの願いをこめて、

如何なる望みも叶えるといわれる宝珠を追う龍の姿を描いた。

神頼み、他力本願じゃないかと捻くれた思いもあるが

絵に望みを託す作業というのは精神が集中していい。

本当に欲しいものの姿が自分の中ですっきりと見えてくる。

ひとつことに欲深くなるのではなく、

こだわりが抜け、周囲の状況も俯瞰で見えてきて、

手に届くものの姿と、なお追い求めたいものの姿が降りてくる。

宝珠を掴むことを目標するのはいいだろう。

しかし掴んでしまえば、それまで。

生きている限りつねに追い求める。

それで良いのかもしれない。