「悪口って伝染すんのよね!」
というセリフに出くわした。
椰月美智子さんの『しいちゃん』というお話。
悪口は誰かが言うと、今度は言われた方が悪口を言って、
人を伝ってどんどん広がっていくのだ、と。
特に垣根の見えにくいネットの世界はこれが顕著だ。
一般の人が誰かの(もしかして意図的)発言によって感情を揺さぶられる。
火蓋が切られると、
われこそは正義とばかりに押し合いへし合い視野の狭い主張が展開される。
互いに受け止める人のない石を向こう岸に投げ続けるばかり…。
いつまでも、終わらない。
どこまでも不毛だ。
こういう悪循環を堰き止めるためには、お話の中にも出てきたが、
言われても、自分は言わないことだ。
言う側と同じになってしまわないことだ。
人との関わりで何よりたいせつなのは
どんな場面でも、誰に対しても
「敬意と感謝」の気持ちで接することではないだろうかと思う。
人は敬意をもって接すれば、敬意で返してくれるものだから。
親が子どもにするしつけであっても、
企業のプロジェクトの反省会であっても、
ただマイナスをつらつら並べるだけでなく
「敬意=あなたにしかできない事がある」と
「感謝=あなたがいてくれるから助かる」
という下地があれば
敬意とさらなる発展で返してくれることさえある。
互いに主張を受け止め、立場に敬意を払うということで
佳い相互作用がうまれ、道筋は明るくなるのだ。
しいては、それが求心力となる。
人は、明るい場所へと自然と集まってくるものだから…。
しあわせの連鎖でどれだけの人を愛せるか
私たち人類が神さまから課せられた大きな仕事かもしれないね。