ふと立ち寄った東京ドームで

「第83回都市対抗野球大会」を観戦した。

社会人野球。

地元びいきは当たり前だけど、

応援に力が入ってて会場の一体感がすさまじく

見始めたらプロ野球より面白くてね。

立て続けに2回も観戦してしまった。




で、ひとりきりの夜に、ふと。

幼い頃、夕暮れの野球グラウンドに

毎日のように父親を迎えに行っていた事を思い出した。

…父が野球選手だったのは知っていた。

だけど、それだけ。

深く尋ねることもないまま心の距離が遠くなった。

何十年もただの「点」でしかなかった事が、

今になって、新聞の切り抜きやらライオンの表彰盾やらは、

これだったのかもしれない。

と、ようやく繋がった。

父がやたらと東京を知ってたのは、遠征に来ていた故かもしれないな。

しばらく会うつもりもないけれど、

いつか話す機会があれば聞いてみてもいいかもしれない。




深夜に都市対抗野球大会のアーカイブを眺めながら、

なんだかおかしくなった。

試合の歴史を追いながら、

自分の年齢と野球選手だった父親の年齢を同時にカウントしているのだ。

ふだんは話題にするのもいやな相手なのに…




身近であるほど

意識しなければ繋がりのないただの点で終わるものもある。

近くにあったはずなのに、遠くなるものもある。