小学校の公開授業で

水墨画と、その挑戦を続けてきた事について話すことになった。

分かりやすく噛み砕き、呑み込めているか確認しながら…

だからヴォリュームのある話はできない。

制限のある中で何をいちばん伝えればいいか悩み…

こんなことを話そうと今思っている。



毎年、少なくとも年に4回は展覧会に出品するようにしています。

1つの作品を仕上げるために、何枚も何十枚も描きます。

こつこつ描き続けて、

1つの作品が完成するまでおよそ2ヶ月くらいかかります。

時間も必要だけど、なにより描くには集中力がいるし、

何枚も同じモチーフに挑戦するのは根気が必要です。



でも、作品集が毎年増えていったり、

展覧会に足を運んでくれる人が少しずつ増えてきて

その人たちに

「いつも作品を楽しみにしてます」

と言われるたび、俄然やる気になって挑戦し続けています。



展覧会に挑戦するにあたって、心掛けていることが1つあります。

それは、賞にばかりこだわらないという事です。

なぜなら…

多くの審査員によって採点される展覧会では、

上位の賞を取るという事は『平均点を取る』という事だからです。

平均点を取るより、点数をつけられないような、

これまで見た事のないような表現に挑戦する事も大切だと思うからです。



芸術家は発明家でもあると思うのです。

発明家は、自分の外の世界で新しい発見をするけど、

芸術家は自分の中に新しい発見をします。

自分の外か中かの違いはあるけど、

芸術家は発明家と一緒で、誰も想像しなかった、

点数をつけられないような発明をしていくことが大切なのです。

つまり、それは自分のオリジナリティを見い出すという事です。

そのためには挑戦し続ける事が大切だと思っています。

これから挑戦を続けていく事で、

自分の中でどんな新しい発見があるのか、

私自身、とても楽しみにしています。